イラスト=カン・イルグ。
彼の死のあと、韓国ドラマ製作社協会は声明書を発表した。「キム・ジョンハクPDの死が無駄にならないように外注ドラマ製作市場の改善のために提言する」という内容だ。韓国演技者労働組合が哀悼の声明を通じて「キム監督は不十分な外注製作の加害者であり被害者だった」と述べたことの延長線だ。
実際、彼の死が知らされた直後、SNSには「果たして天下のキム・ジョンハクも死に追いやるドラマ市場とはいったい何が問題なのか」というコメント等が掲載された。ドラマ製作社協会は声明で「外注製作会社の申告制を登録制に変えること、スター作家と俳優が高額ギャラを自制すること、放送局は不公正な甲乙関係をなくして外注社に合理的な製作費を算定すること」などを要求した。
特に不良製作会社を取り除くことを強調した。製作経験もなくただ“一発”を狙ってドラマ市場に参入し、金を積み上げて作家と俳優の名前に泊をつけ、それを武器に編成枠を取り付けて市場の秩序を乱し、問題が生じれば逃げるという不良外注会社の話だ。あるプロデューサーは「オープンセットの名目で土地に投資したり、M&A(企業の合併・買収)を通じて株式商売をするなどドラマ製作と関係ない投資で一攫千金を狙う一部の製作会社が問題」と厳しい忠告を与えた。
このような不良製作会社に編成を与える放送局も責任を免れることは難しそうだ。普段は甲(上位)だが、製作会社が問題を起こせば突然「われ存ぜす」という放送局の無責任な態度もまた問題だ。放送会社は編成を武器に製作費を圧迫し、製作会社はそれを知りながらも損害を甘受しなければならない甲乙関係図が慢性的だ。
この際、抜本的な検討も必要だ。公営放送・商業放送の区分なく、すべてが似たようなドラマで競争する構造、問題が大きくなればギャラ上限値制限など競争自制を約束するがいつも口だけの構造、そうは言っても以前より半分の視聴率しか出ない少数の作家とスターだけが潤っている構造。これはどうみても正しい答えではない。妙策が必要だ。
もしかしたらキムPDは未完のドラマを書いておいたのかもしれない。「ドラマ製作の現実改善を促す」という題名のドラマを。
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