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<サッカー>傷ついた韓国代表を癒やせ…東アジア杯に臨む洪明甫監督(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版

洪明甫(ホン・ミョンボ)監督

陳腐なレトリックになったが、国家代表チームの指揮官は“毒の聖杯”と表現される。栄光ではあるが、激しい非難を受け、落馬しやすい危険な地位であるからだ。韓国では特にそうだ。

サッカー国家代表監督はワールドカップ(W杯)に合わせて4年周期で交代するのが理想的だ。しかし韓国は一度もそうなったことがない。2000年末に許丁茂(ホ・ジョンム)が解任された後、ヒディンク監督が就任し、02年に4強神話を築いた。コエリュ監督、ボンフレーレ監督が順に退いた後、06年ドイツW杯はディック・アドフォカート監督が指揮した。2010年南アフリカで16強入りに導いたのは許丁茂監督だが、それもファーベーク監督の空席を埋め、途中から指揮官となった。歴史は2014年ブラジルオリンピック(五輪)を控えても繰り返された。趙広来(チョ・グァンレ)監督に続いてチェ・ガンヒ監督が時限付きの指揮官を務め、アジア予選をかろうじて通過した。ブラジルW杯本大会の指揮官には洪明甫(ホン・ミョンボ)監督が決まった。

洪監督は先月25日の就任記者会見で、「厳しい状況だが、私が今まで積み重ねてきたすべてのものをかけて、経験した知識と知恵で、体と心を大韓民国のサッカーチームに捧げる」と述べた。ブラジルW杯は来年6月13日に開幕する。残り11カ月ほどだ。


20日に開幕する2013EAFF東アジア杯は、国家代表の指揮官としての最初の挑戦となる。東アジアサッカー連盟(EAFF)が主管する東アジア杯は2003年の第1回大会から今年で5回目を迎える。男子部と女子部に分かれ、20-28日にソウルW杯競技場、蚕室総合運動場、京畿道華城総合競技タウンで開催される。男子部には韓国・日本・中国・豪州が、女子部には韓国・北朝鮮・中国・日本が出場し、リーグ戦でチャンピオンを決める。JTBCは全試合を独占中継する。

◆「1年後により良い姿を見せる選手を選んだ」

洪明甫が受けた聖杯の中にも毒が入った。深刻な内部葛藤という毒だ。

奇誠庸(キ・ソンヨン)はソーシャルネットワークサービス(SNS)でチェ・ガンヒ前監督を侮辱したことが明らかになり、大きな問題となった。奇誠庸は先月SNSに興味深い写真を載せたりもした。友人とアルファベットのMとBが入った帽子をかぶって撮った写真だ。MBはサッカー界で洪明甫を意味するイニシャルだ。これに関しネットユーザーは「チェ・ガンヒ後任監督に洪明甫監督が来ることを願う気持ちを絶妙に表現した」とコメントした。

東アジア杯で洪監督の最初の課題は、代表チームの紀綱を立て直して葛藤を治癒することだ。洪監督は政治的な感覚が優れた人物だ。今回も迅速かつ適切に必要な措置を取った。

まず奇誠庸のSNS波紋がメディアを通じて公開された日、チェ・ガンヒ監督と会った。「代表チーム内部にチェ・ガンヒ派と洪明甫派がいる」という懸念を払拭するためだ。洪監督は「チェ監督に会って感謝の言葉を伝えた。選手もこれがどういう意味か、分かるはずだ」と述べた。チェ監督派、洪監督派という言葉が出ることを容認しないというメッセージだ。

代表チームの名簿を発表した11日には、さらに直接的かつ強力な警告をした。奇誠庸については「師に対する行動として適切でなかった。協会の警告と代表チーム選抜は別物だ。就任会見で話したようにワンチーム(One Tham)に立って判断する。奇誠庸は協会の警告を軽く考えてはいけない。サッカーでイエローカードがどういう意味かよく考えなければならない。今後、注意深く観察する」と直撃弾を飛ばした。

洪監督は「スタートする前にいくつか問題があって疲れるが、この状況を前向きに考えたい。重要な時期に問題になるより、いま解決できるのなら、それほど悪いことではない」と述べた。

また代表チームの紀綱を守るための具体的な規則も決めた。洪監督は「変化は招集訓練初日、第一歩から始まるだろう」とし、まず坡州トレーニングセンターに入所する際、スーツにネクタイという服装を注文した。また坡州トレーニングセンターの正門を歩いて通過するよう指示した。これまで代表選手は帽子、ティーシャツ、破れたジーンズなどを来てくるケースが多かった。外国車に乗って練習場を出入りし、代表チームの管理にも困難があった。服装の変化をはじめ、代表チームでの行動と心掛けまで変わることを期待している。以前にヒディンク監督も就任初期、練習・食事・移動時の服装を徹底的に統一し、チームの雰囲気を引き締めた。(中央SUNDAY第331号)



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