2007年、盧武鉉(ノ・ムヒョン)-金正日(キム・ジョンイル)の南北首脳会談の対話録全文が公開されるにつれ、西海(ソヘ、黄海)の北方限界線(NLL)論議が再熱している。昨年の大統領選挙期間中も最も熱いイシューであった。セヌリ党側はずっと盧武鉉元大統領がNLLを放棄したと攻撃したし、李明博(イ・ミョンバク)政権の関係者の一部もこれに同調した。民主党側は対話録全文を見ればセヌリ党の主張が事実でないということが分かると対応してきた。
対話録によれば、色々な部分で、NLLを放棄する意志があることで表れるような余地のある節々がある。一方、盧元大統領がNLLを放棄したと決めつけるのも難しくする一節もある。とにかく国民的なコンセンサスとかけ離れるように、事実上、領海線として固まっているNLLの性格を変化させようとする意図を持っていたことは適切ではなかった。
対話録によれば、盧元大統領は会談中ずっとNLLを領海線として守ろうとする意志を明らかにしなかった。むしろNLLについて否定的な認識を何度も示した。南北軍事会談で「NLL問題を議題に入れろ…妥協しなければならないことではないのか…それは国際法的な根拠もなく論理的根拠も明らかではないことなのに」という表現が代表的だ。また「NLLというものが変にできてしまい、何か怪物のようにむやみに触れないようなものになっていますね」といった表現もある。首脳会談前にも韓国内でNLLについて「領土線というのは国民を誤った方向に導くもの」と話したことの延長線だ。大多数の国民の考えと距離が離れた不適切な表現だ。
一方、対話録には盧元大統領が金正日の前でNLLを放棄したり譲歩したりするという意志を直接的に明らかにした一節は表れていない。むしろ「NLLをもってこれを変えるとかどうするかではなくて…それは昔の基本合意の延長線で今後協議していくことにして」と話した一節もある。西海境界線をめぐって南北が葛藤する問題を解決するために「共同の繁栄のための、そのような海の利用計画をたてることによって敏感な問題を未来指向的に解決していくことができないか…」という説明がまさにつながる。結局、盧元大統領は“西海平和協力地帯”を建設することによって間接的にNLLをめぐる南北の葛藤を解消しようという提案をする考えであったものとみられる。
しかし対話録に表れた盧元大統領のNLLについての認識自体は問題がある。NLLは1953年の停戦以降これまで、西海上の韓国、北朝鮮の境界線として作用している。半世紀近く韓国国民はNLLの南側の海を生活の根拠地であり領海として認識してきた。そうしたことが10年余り前から北朝鮮が問題提起をして1、2次延坪(ヨンピョン)海戦や韓国哨戒艦「天安(チョナン)」爆沈、延坪島(ヨンピョンド)砲撃などの挑発を行ってきたのだ。
このような状況でNLLの性格についての変化の問題を北側と議論するということは、あまりにも性急なことだった。北側がNLLを実質的な境界線だという点を認めるようにして、これを基に問題を解決していく努力が優先されるべきであった。領土主権の保全、西海5島の住民の生存権、首都圏防御体制など大統領が守らなければならない義務を勘案する時、当然そうするべきであった。
対話録には、NLL以外にも盧元大統領が特有の赤裸々な話法で多くの問題発言をした部分が目につく。米国を帝国主義として認識するといった発言や、自主国防をめぐる発言、日本の拉致問題についてよく理解できないといった発言が代表的だ。基本的に盧元大統領の世界観や価値観が、韓国社会の一般的な水準と違うということは広く知られている。そんなことを勘案しても、問題発言をむやみに吐き出したことは国の品格と国益を傷つけるものだった。
私たちは、首脳会談の対話録を公開することが国益に有害だという立場を明らかにしたことがある。それにもかかわらず対話録全文が公開された場合、その是非を決めることは避けられない。結論は、盧元大統領の平壌(ピョンヤン)への歩みに多くの問題点があったということだ。しかし同時にこの数カ月間の論議は行き過ぎだった。これ以上消耗的な政争はたたんでしまわなければならない。ただしNLLは実質的な領海線であり、韓国と北朝鮮の間に恒久的な平和が定着する時までは確固として守らなければならないということを、もう一度強調する。与野党がこのような合意とともに論議を終えることを促す。
対話録によれば、色々な部分で、NLLを放棄する意志があることで表れるような余地のある節々がある。一方、盧元大統領がNLLを放棄したと決めつけるのも難しくする一節もある。とにかく国民的なコンセンサスとかけ離れるように、事実上、領海線として固まっているNLLの性格を変化させようとする意図を持っていたことは適切ではなかった。
対話録によれば、盧元大統領は会談中ずっとNLLを領海線として守ろうとする意志を明らかにしなかった。むしろNLLについて否定的な認識を何度も示した。南北軍事会談で「NLL問題を議題に入れろ…妥協しなければならないことではないのか…それは国際法的な根拠もなく論理的根拠も明らかではないことなのに」という表現が代表的だ。また「NLLというものが変にできてしまい、何か怪物のようにむやみに触れないようなものになっていますね」といった表現もある。首脳会談前にも韓国内でNLLについて「領土線というのは国民を誤った方向に導くもの」と話したことの延長線だ。大多数の国民の考えと距離が離れた不適切な表現だ。
一方、対話録には盧元大統領が金正日の前でNLLを放棄したり譲歩したりするという意志を直接的に明らかにした一節は表れていない。むしろ「NLLをもってこれを変えるとかどうするかではなくて…それは昔の基本合意の延長線で今後協議していくことにして」と話した一節もある。西海境界線をめぐって南北が葛藤する問題を解決するために「共同の繁栄のための、そのような海の利用計画をたてることによって敏感な問題を未来指向的に解決していくことができないか…」という説明がまさにつながる。結局、盧元大統領は“西海平和協力地帯”を建設することによって間接的にNLLをめぐる南北の葛藤を解消しようという提案をする考えであったものとみられる。
しかし対話録に表れた盧元大統領のNLLについての認識自体は問題がある。NLLは1953年の停戦以降これまで、西海上の韓国、北朝鮮の境界線として作用している。半世紀近く韓国国民はNLLの南側の海を生活の根拠地であり領海として認識してきた。そうしたことが10年余り前から北朝鮮が問題提起をして1、2次延坪(ヨンピョン)海戦や韓国哨戒艦「天安(チョナン)」爆沈、延坪島(ヨンピョンド)砲撃などの挑発を行ってきたのだ。
このような状況でNLLの性格についての変化の問題を北側と議論するということは、あまりにも性急なことだった。北側がNLLを実質的な境界線だという点を認めるようにして、これを基に問題を解決していく努力が優先されるべきであった。領土主権の保全、西海5島の住民の生存権、首都圏防御体制など大統領が守らなければならない義務を勘案する時、当然そうするべきであった。
対話録には、NLL以外にも盧元大統領が特有の赤裸々な話法で多くの問題発言をした部分が目につく。米国を帝国主義として認識するといった発言や、自主国防をめぐる発言、日本の拉致問題についてよく理解できないといった発言が代表的だ。基本的に盧元大統領の世界観や価値観が、韓国社会の一般的な水準と違うということは広く知られている。そんなことを勘案しても、問題発言をむやみに吐き出したことは国の品格と国益を傷つけるものだった。
私たちは、首脳会談の対話録を公開することが国益に有害だという立場を明らかにしたことがある。それにもかかわらず対話録全文が公開された場合、その是非を決めることは避けられない。結論は、盧元大統領の平壌(ピョンヤン)への歩みに多くの問題点があったということだ。しかし同時にこの数カ月間の論議は行き過ぎだった。これ以上消耗的な政争はたたんでしまわなければならない。ただしNLLは実質的な領海線であり、韓国と北朝鮮の間に恒久的な平和が定着する時までは確固として守らなければならないということを、もう一度強調する。与野党がこのような合意とともに論議を終えることを促す。
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