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創造経済の足首つかむ“恐竜”ネイバー…ベンチャー企業の捕食者=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国のベンチャー生態系は砂漠のように干からびている。創業に乗り出した若い企業家のアイディアをブラックホールのように吸い込んだ後、似たようなサービスを出して新芽を枯死させるネイバーのためだ。公正な競争が可能な環境をつくらなければならないという声が学界はもちろん政界でも大きくなっている。

4月、韓国最大ポータルサイトのネイバーを運営するNHNは、ファッション関連モバイルアプリ『WANNA B!』を出した。ベンチャー業界からは「ついに発売するのか」という苦々しい声が上がった。『WANNA B!』は発売前から主な機能やコンセプトが韓国内のベンチャー企業のファッション専門アプリ『スタイルシェア』をそのままコピーしたのではないかといううわさが少なくなかったからだ。

『スタイルシェア』は2011年、当時大学生だったユン・チャヨン氏(26)が2000万ウォンで創業してつくった。ファッションに関心がある人が関連写真をアップして交流するソーシャルネットワークサービス(SNS)だ。広告なしで口コミだけで1年3カ月で120カ国の利用者30万人に広がり一日で1万件以上の写真が新しく登録される。


NHNは当初3月15日に『ワンダー』という名前でファッションアプリを発売する計画だった。利用者にブランドハンドバッグや現金をプレゼントするとしてあらかじめ広告もした。すると業界が猛烈に反発した。「新生ベンチャーが切り開いた市場にインターネット巨大企業が入ってくるのか」という批判であふれた。ベンチャー投資家のクォン・ドギュン氏(プリマー代表)は当時、自身のフェイスブックにこのように記した。「大企業が海外に出て行って大きな相手と競争するつもりもなく、町内で略奪を日常的に行いながら安住しようとすると…ベンチャー生態系が根元から乾いてしまい荒れ果ててしまう」。『ワンダー』発売は、すっと引っ込められた。

◇ネイバーの強大な広告力で市場占領

しかし1カ月後、このサービスは名前だけが『WANNA B!』に変わって登場し、NHNはネイバーを通じて大々的に広報した。『スタイルシェア』のユン・チャヨン代表は「NHNもベンチャーから始めて大企業になったので良い事例をつくったのなら良いだろうが、企業の仕事に道徳的な物差しを強要できないのではないか」として言葉を慎んだ。その一方で「私たちは全職員9人でマーケティング費も0ウォンなのに、『WANNA B!』は1時間で何億ウォンもするネイバー広告に露出できてうらやましい」と言って苦笑いをした。

ベンチャー企業の支援と創業生態系の活性化は、新政権による“創造経済”の核心だ。ベンチャー企業を買収する時に税負担を減らし適用を猶予するような実質的な恩恵も用意された。だがベンチャー業界では「大企業が有望な新生ベンチャーを買収するどころか、アイディアを奪い取ったり類似の事業で市場を一気に手中におさめる状況では無用の物だ」と口をそろえる。

その中心に韓国内のインターネット市場を独占したネイバーがいる。新生企業を買収したり事業提携を結んだりするよりは自らの人材を動員して類似のサービスをつくって市場に出し、占有率70%を超えるポータルサイトネイバーを通じてマーケティングをするやり方だ。

今年1月ネイバーは自社のモバイルアプリで『グッドモーニング』というアラームサービスを始め“少女時代の声のアラーム”を宣伝した。芸能人の声をアラームアプリに取り込むのは、大学生ベンチャー企業Malang Studioのアプリ『アラームモン』が先に試みていた。Malang Studioは昨年、放送通信委員会が開いたベンチャー競演大会“グローバルKスタートアップ”で優秀企業に選ばれた会社だ。今年初めにはベンチャー企業Wizard Worksのモバイル用メモ帳アプリ『SOM』がグーグルプレイでダウンロード1位を獲得するなどの人気を得るとすぐに『ネイバーメモ』に似た機能が追加された。

Wizard Worksのピョ・チョルミン代表(28)はKBS(韓国放送公社)の討論番組に出演して「ネイバーがアラームやメモまでつくったら中小企業は何をするのか」と訴えた。



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