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【コラム】天下りがはびこる官僚共和国の韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
歳月が流れてもひときわ記憶に残る対話がある。印象深かったり共感できる話の場合だ。2007年に財政経済部の申斉潤(シン・ジェユン)国際金融審議官と交わした対話も鮮やかな記憶として残っている。ユーモアと比喩を適切に混ぜる彼の直説話法はおもしろい。私席で何度か聞いた彼の熱弁は、「先輩たち、もうほどほどにしなさい」というものだった。その時は長官交替を契機に連鎖辞任した幹部が1人2人と金融公企業のトップを訪ねて行った時と記憶する。彼は日本の大蔵省を例に挙げた。「こうしていたら日本のようになる。大蔵省もこうしていたが批判的世論のため、ある段階だかで(天下りが)すっぱりと断たれた。自制する時になった」という要旨だった。旧財務部出身の彼の天下り批判はかなり印象的に聞こえた。

本当に彼の話のように元祖格である日本では天下り人事が急減した。2009年の総選挙を控えて与野党は官僚の天下り根絶を公約に掲げ、規制法まで通過させた。変則的な天下りを批判する記事が時々日本のメディアに出るが過去とは比較できないほど減った。

韓国はどうなのか。あえて話すが官僚の天下りはもっと深刻になった。公企業、関連機関、各種協会の代表、副代表、役員、監査など、政府の影響が及ぶ主要ポストはすべて官僚だらけだ。過去には品数合わせの次元ででも民間人を抜てきしていたいくつかの公企業トップまですべて官僚で満たされている。現政権の組閣時に公務員出身者が多く登用されたことまで考えると名実ともに「官僚全盛時代」だ。


財務部出身者ばかりではない。財務部出身者より退任後はもっと温いという産業通商資源部出身者、大学総長と教育関連共済会、年金基金のポストを独占する教育部出身者、金融監督院の空きポストに潜り込み金融会社の監査を接収している監査院出身者、選りすぐりの協会30件を率いる国土交通部出身者など、ひとつずつ列挙するのも難しいほどだ。

韓国社会はいつからか官僚の天下りを当然視している。官のプレミアムのためだろうか。難しいといわれる考試に合格し、高度成長を導いた官僚出身なので民間専門家より一枚上とみなされる。政界の天下りは執拗に批判するメディアも官僚の前では筆が鈍る。互いに押し引きする公務員の集団的補償意識も作用する。低い報酬と高い業務レベルを考えれば退任後に適当な席で埋め合わせるのは公平に反しないとみる。身分保障は基本、海外勤務と研修、循環人事にともなう多少の余裕、低金利に威力が倍加された公務員年金、関連機関から受ける適当な接待はそのような次元で理解してくれという。

そう言われれば韓国の官僚は本当にやってみる価値がある。少ない月給を盾に退任後は公企業に、協会に、法律事務所に走って行くおかしな補償体系。グローバルスタンダードとはあまりにもかけ離れたこのような慣行が、いまこの時に若者たちを鷺梁津(ノリャンジン)の上級公務員試験学校に引き寄せているのではないのか。公務員出身のだれかどこの機関の幹部になったという記事が1日にいくつも新聞に載せられる2013年の韓国。これは正常ではない。

ユン・チャンヒ経済部門記者



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