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日朝国交正常化交渉開始時には参議院選挙にメガトン級の好材料(2)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
日朝が今回の対話である程度接点を見つけられるかも関心事だ。北朝鮮はこれまで「拉致問題はすでに解決済み」と主張してきた。それとともに「日本は日帝強占期に苦痛を受けた朝鮮人の被害から解決せよ」と要求した。これに対し日本は拉致を「テロ行為」と規定し、「核とミサイルを廃棄せよ」と圧迫してきた。朝鮮総連系に対する圧迫も強硬だった。このように立場の差は大きいが日朝が高位級会談を再開したのは、「国交正常化交渉開始」の段階までは意見が接近したためという分析が出ている。飯島氏の政治的な重さを考慮すると、安倍首相が近い将来北朝鮮を訪問する可能性もある。平壌で金正恩(キム・ジョンウン)と首脳会談をし、「日本人拉致と核・ミサイルなどすべての問題を包括する国交正常化交渉を開始する」と宣言するパフォーマンスを広げられるということだ。このような推測を後押しするように安倍首相は15日の参議院予算委員会で、「拉致と核・ミサイル問題を解決しなければならないという判断から、(日朝)首脳会談が重要な手段ならば当然(会談を)考えながら交渉していかなければならない」と話した。自身の訪朝意志を隠していないのだ。

安倍内閣にとって「北朝鮮とのダンス」は花見劫(勝てば利益は大きいが、負けても損害は軽微な囲碁の手)だ。長く停滞状態だった拉致問題を議論する道を開くことになれば最近70%台まで上昇した支持率はさらにはずみをつけることができる。7月の選挙まで2カ月しか残っておらず日朝国交正常化は難しいが、「国交正常化交渉開始宣言」だけ出てもメガトン級の好材料だ。過去の歴史わい曲と領土紛争などで「日本叩き」をしてきた韓国と中国にも存在感を誇示する効果を期待できる。

金正恩体制にも日本との対話再開はうれしいカードだ。北朝鮮は2月から2カ月以上にわたり韓国と米国を脅迫し瀬戸際外交を繰り広げたが失敗に帰した。中国まで公開的に北朝鮮圧迫に加勢しているのが現実だ。このような状況で国交正常化交渉を名分に日朝の対話チャンネルを開けば不安な孤立局面から逃れられる。干上がった日本発の金脈を生き返らせる機会も得られる。


◇北朝鮮、孤立から離脱して日本発の金脈生かす機会

安倍首相の特使派遣は小泉氏の2度の訪朝連続線上にあるという分析も出ている。2002年と2004年に小泉氏はブッシュ米大統領との厚い信頼関係を基に訪朝を成功させ日朝国交正常化まで念頭に置いた「ビッグディール」を試みた。北朝鮮に最大100億ドルの賠償金を支払う方策まで考慮したとされる。1965年の韓日国交正常化当時に日本は「無償3億ドル、有償2億ドルに商業借款1億ドルとプラスアルファ」を賠償金として支払った。これを当時の物価と為替相場で換算すると約100億ドルという推定値が出てきた。安倍首相は当時官房副長官として小泉氏の訪朝に同行し、当初は国交正常化に賛成し交渉に積極的だった。したがって安倍首相がビッグディールをする場合「小泉モデル」を参考にするだろうという推測が出てくる。

安倍首相が飯島氏を特使として送ったのもそうした一括妥結方式を念頭に置いたものという分析が出てくる。日本をよく知る外交消息筋は、「小泉氏の下で政治的に成長した安倍首相に小泉氏の右腕の飯島氏は一言で“畏敬するメンター”のようなものだ。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領にとっての金正濂(キム・ジョンリョム)秘書室長や南悳祐(ナム・ドクウ)元首相のような存在といえば簡単に理解できるだろう」と説明した。

安倍首相の突出した歩みのため韓国政府は困惑している。最後に残った対話チャンネルである開城(ケソン)工業団地が事実上閉鎖された状況で日本が対北朝鮮協調を破り対話再開の先手を持って行った局面だからだ。北朝鮮が日本と密着すればひとまず経済的・外交的に突破口を開くことができる。その上米国が日本を通じて間接的に米朝対話をする場合、韓国だけが対北朝鮮強硬策にしがみつくことになる。ソウルのある外交消息筋は「朴槿恵政権の韓半島信頼プロセスは総合的戦略になれない。日本の歩みなどすべての変数を網羅した高次方程式をまとめて対北朝鮮対話の突破口を開き、韓国の外交的位置づけを広げなければならない」と指摘した。(中央SUNDAY第323号)



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