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韓国、“夢の光工場”放射光加速器の建設へ…日本・米国に続き世界3番目

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「3、2、1」。9日午前、慶尚北道浦項市南区孝子洞(キョンサンブクド・ポハンシ・ナムグ・ヒョジャドン)のポステック浦項加速器研究所。来賓が案内により発破レバーを引くと、すぐに暴音とともに五色の花粉が舞いあがった。太陽より100景倍(1景=1兆の1万倍)の明るい光をつくる“夢の光工場”、4世代放射光加速器(PAL-XFEL)建設の開始を知らせる祝砲だった。

記念式場の後ろの工事敷地は、あたかも高速道路の建設現場のようだった。往復8車線の広さの敷地が、山を横切っていた。起工式はこの日開かれたが、足場づくりの工事はすでに昨年の秋から始まっていた。コ・インス(ポステック物理学科教授)加速器構築推進団長は「地ならしをして丘を6つ崩した」として「これまでに掘りおこした土だけでもダンプトラック1万台分の量」と話した。

放射光は、早く動く電子が運動方向に変わる時にエネルギーを失って出す光を示す。放射光加速器は、この光をつくるために人為的に電子を加速させて磁石に引き寄せ曲がるようにする設備だ。電子をつくる“電子銃”、電子を積み出す電波を作り出す“高周波発生器”、N極・S極の磁石数十個を交差させて電子をくねくねと曲がるようにする挿入装置が核心となる。加速器が長いほどエネルギーが大きくなり、挿入装置が多いほど電子方向がたくさん変わって光が重なり放射光が明るくなる。


現在、浦項で稼動中の3世代放射光加速器の長さは170メートルだ。ビームエネルギーは3GeV(ギガ電子ボルト、1GeV=10億eV)で光の明るさは太陽の1億倍程度だ。その一方、新しくつくる4世代放射光加速器は長さが710メートルに達する。挿入装置(250メートル)やほかの装備まで合わせれば全長は1100メートルだ。

なぜ明るい放射光が必要なのだろうか。エックス線などの放射光は、波長が原子・分子の間の距離ぐらいに短い光だ。この光を物質に反射して回折パターン(光が微細な隙間を通過する時に作られる明るくて暗い波形)を見ればとても小さな微細物質の内部を見ることができる。光が明るければ明るいほどさらに小さな物質、さらにはやい変化をとらえられるということだ。

4世代放射光加速器はレーザーのように光が広がらず遠くまで行く0.1ナノメートル(100億分の1メートル)波長のエックス線をつくることができる。ビームエネルギーは10GeV、明るさは3世代放射光加速器がつくる光の100億倍だ。この光を活用すれば、髪の毛の太さの数十万分の1に過ぎない微細物質の内部を、手相を見るように細かくのぞいて見ることができる。分子が結合して落ちる数十兆分の1秒の瞬間を連続撮影して動画のように作ることもできる。巨大な顕微鏡でありカメラであるわけだ。

現在こうした性能の放射光加速器の施設を持つ国は、米国(LCLS)・日本(SCSS)だけだ。目標のとおり、来年末に浦項の4世代放射光加速器が完工すれば、韓国が3番目の保有国になる。欧州連合(EU)やスイスもそれぞれ2015年の完工を目標に同様の加速器をつくっている。

チョ・ムンヒョン(ポステック先端原子力工学科教授)浦項加速器研究所長は「4世代放射光加速器の観測結果を活用すれば、革新的な新薬や新素材もつくることができるだろう」と話した。実際に米国研究陣は最近LCLSを利用して特定触媒物質と一酸化炭素が結びついて分離する過程をリアルタイムで観測した。この原理を分子単位で精密に究明すれば、自動車の排気ガス(一酸化炭素)をさらに浄化できる触媒装置をつくることができるというのが専門家たちの説明だ。



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