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世界の中央銀行「デフレファイター求む」…日本は量的緩和に積極的な黒田氏(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ロシアでは物価管理に重点を置いたセルゲイ・イグナチェフ総裁が退陣し、プーチン大統領の経済首席補佐官であるエルビラ・ナビウリナが任命される予定だ。ロシアもやはりインフレ圧力が弱く、失業率は高く、利率引き下げが期待されている。隣国のハンガリーでも同様に緩和的通貨政策に焦点を置いた人物に総裁が交替させられた。

英国はマービン・キング中央銀行総裁の後任にカナダ中央銀行のマーク・カーニー総裁が就任を控えている。彼はカナダ中央銀行総裁時代に積極的な通貨政策と顕著に低い金利でカナダの景気回復を主導した。日本の量的緩和に対しても事実上支持を表明した彼はすでに英国の追加的量的緩和の可能性を示している。

米国・日本の中央銀行の荒々しい量的緩和の波の中で欧州中央銀行も最近基準金利を0.75%から0.5%に下げた。世界の主要中央銀行が実体景気浮揚に関心を傾ける緩和的通貨政策にすでに舵を切ったり、今後そうすると予想されるものだ。その背景にはこうした政策基調に合致する人物に中央銀行総裁を交替する状況があるのだ。


◆物価安定上限線まで金融を緩和せよ

こうした方向が常に正しいのではない。かつては物価上昇と戦う「インフレファイター」としての中央銀行総裁が必要だった。だが、いまは世界的な景気低迷と戦う中央銀行総裁が必要な時とみられている。

もちろん各国中央銀行の状況は違う。量的緩和で実体景気回復を主導した米FRBの場合、通貨政策目標が物価安定と最大雇用という「二重責務」にされており、物価安定に焦点を置く他の中央銀行とは違う。物価安定と実体景気回復を同時に追求するのは政策目標を不明確にさせる問題があるとされている。

しかし世界の景気低迷が長期化し中央銀行に景気低迷克服に向けたより積極的な任務が付与されていることもやはり事実だ。そしてそれが一連の総裁交替に現れているのだ。景気低迷克服が必ずしも物価安定目標と衝突することでもない。一例として欧州中央銀行で最も重要な目標は物価安定だが、物価安定目標を傷つけない範囲では「高い水準の雇用」と「持続的でインフレを誘発しない成長」を追求している。

しかも物価はとても上がる上方リスクもあるが下がる下方リスクもある。したがってほとんどの国は一定範囲のインフレを目標にする。韓国も2013~2015年の物価安定目標を2.5~3.5%に設定している。しかし消費者物価上昇率は現在6カ月にわたり1%台を記録し、物価安定目標の下限を大きく下回っている。物価上昇率が目標下限に至らないことを物価が上がらなくて幸いと考えることができるが、このような場合はたいてい景気低迷が持続する状況だ。

したがって韓国銀行の通貨政策目標を米連邦準備制度のように物価安定と最大雇用の2種類と規定はしなくても、与えられた目標である物価安定目標の上下端を守る努力を通じ実体景気回復と雇用増大という政策目標を一定部分達成することができる。それが景気回復の重い荷物を効果的に背負っていく方法を考案せよという市中の要請に対する韓国銀行の回答になるだろう。

成太胤(ソン・テユン)延世大学経済学部教授



世界の中央銀行「デフレファイター求む」…日本は量的緩和に積極的な黒田氏(1)

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