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安倍首相、国民栄誉賞授与“野球場ショー”

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
子どもの日の5日、日本最高人気プロ野球チームの読売ジャイアンツのホーム球場、東京ドームに3人の主人公が立った。この日、ここでは国民的な野球スター2人に対する国民栄誉賞授与式が開かれた。“ミスタープロ野球”と呼ばれた強打者で、読売の9年連続(1965-73年)優勝に寄与した長嶋茂雄氏(77)、長嶋氏の弟子で日米両国でホームラン打者として活躍した松井秀喜氏(39)の2人が受賞した。

そしてもう一人は賞を授与した安倍晋三首相だった。国民栄誉賞は文化・体育分野で大きな足跡を残した国民的英雄に日本の首相が授与する賞。77年に本塁打世界新記録を作った王貞治氏をはじめ、20人の個人と1チーム(日本女子サッカー代表)が歴代の受賞者だ。

この日、東京ドームは5万人以上の観客で埋まった。行事は午後1時20分から松井氏の引退式、国民栄誉賞授与式、始球式の順に行われた。今回の行事は、日本の国民に自信を吹き込むという安倍首相の構想で始まった。こうした点で“企画・安倍、演出・安倍”の作品だった。安倍首相が2人に対する授与を検討するよう内閣に指示したのは昨年12月29日、原発事故地の福島の視察を終えて戻る新幹線でだ。


「敗北主義から抜け出し、強い日本を取り戻す」というスローガンを掲げた安倍首相は「誇らしい日本」を国民に印象づけるイベントに没頭した。一度に1人ずつ授与してきた慣例を破り、師弟間の長嶋氏と松井氏に対する異例の“ダブル授与”イベントを考えたのも、安倍首相だった。

経済回復の期待感の中で70%以上の支持率を得ている安倍首相は5日、国民の前で自身を確実にアピールした。受賞者2人に表彰状と記念品の金のバットを渡した安倍首相は、2人の受賞者より先にマイクを握った。安倍首相は「2人が野球場に入ってくる瞬間の雰囲気が明るく変わった。いま私たちが追求しているのもこういうものだ」とし「10年間ほど日本経済が厳しく、暗い雰囲気だったが、もうこういう雰囲気は変えなければいけない」と述べた。続いて「みんなが夢に向かって頑張っていくことこそが(アベノミクスの三本の矢の金融政策・財政政策・成長政策に続く)“4本目の矢”になると信じている」と話した。

安倍首相は背番号3の長嶋氏と背番号55の松井氏から「(背番号)96、安倍」と書かれたジャイアンツのユニフォームを受けた。背番号96は第96代首相という意味だった。しかし平和憲法のうち安倍首相が真っ先に改正するという「憲法改正手続き規定」も憲法96条である点が話題になった。「背番号が憲法96条と同じ96番」という記者の指摘に対し、安倍首相はハハハと笑いながら「96条についてはまだ十分に国民的な議論が行われたとは言い難い」と避けた。テレビ朝日は「憲法96条改正をアピールするためではないかと与党内でも批判が出ている」と報じた。

この日のイベントの圧巻は始球式だった。松井氏がマウンドに立ち、長嶋氏が打席に入った。読売の原辰徳監督が捕手となり、背番号96のユニフォームを着た安倍首相は審判をした。松井氏の高いボールに長嶋氏が空振りすると、安倍首相は右手をあげながらストライクを叫んだ。



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