最近会った何人かの父兄に尋ねた。「近頃、中高校生の間では何が話題でしょうか?」。大部分はうろたえたが2人は同じ答を出した。「アニメの『進撃の巨人』だったかのために学校が大騒ぎだと言っていたが」。よく立ち寄る漫画専門書店の主人も話した。「この頃は『進撃の巨人』が一番よく売れますよ。10代や20代がたくさん訪れてね」。
それで読んだ。“ものすごい作品”という話は十分聞いていたが、私の好みではないと思い迷っていた漫画『進撃の巨人』(鶴山文化社で9巻まで発行)だ。日本の漫画家・諫山創のデビュー作で、日本だけで累積発行部数1200万部突破、第35回講談社漫画賞などを受賞した作品だ。新たに話題になったのは先月、日本のMBS(毎日放送)でアニメーション放映が始まったためだ。このニュースが韓国ファンたちにも伝えられ『進撃の巨人』は一時ポータルサイトのリアルタイム検索語1位にあがり、国内ケーブルチャネルやインターネットテレビでも放送され始めた。
内容はこうだ。人間を食べてしまう巨人が出没して人類は絶滅の危機を体験し、生き残った人間は50メートルの城壁を幾重にも築き、その中で生きていく。そして100年後、壁を凌駕する超大型巨人が再び現れて人間を攻撃する。巨人によって母親を失った主人公の少年エレンと友人は軍隊に入って巨人と戦う。
巨人がのさばる世の中は「強い者が弱い者を取って食べるという、親切なほど理解しやすいこの世界」に対する隠喩だ。そして作家は、この絶望的な状況に安住するのか、相対して戦うのかを尋ねる。漫画にはこのようなセリフがしばしば登場する。「戦わなければ勝つこともできない」「何も捨てられない人は、何も変えられないだろう」など。 世の中という巨人に、力いっぱいぶつかってみろという直接的なメッセージだ。しかしこのようなメッセージのほかにも、近頃の若い世代にアピールする多様な魅力がこの漫画にはある。巨人が街区を1つずつ陥落することと、多様な武器でこれに対抗する人間はオンラインゲームの構図と似ている。インターネット掲示板などでは巨人の正体は果たして何なのかなどミステリー性のある設定について激しい議論が飛び交う。
だから、近頃の子供たちの好みが気になるご父兄ならば、この漫画を一度読んでみるように(参考までに漫画本は“15歳以上”だがアニメーションは“19歳以上視聴可”等級)。「こんな残忍な漫画を見ているということ?」と驚くかもしれない。だが子供たちは話す。「勇気ある主人公の姿に、胸が躍った」「この漫画を読んで、挑戦するということについて考え直すことになった」と。
イ・ヨンヒ文化スポーツ部門記者
それで読んだ。“ものすごい作品”という話は十分聞いていたが、私の好みではないと思い迷っていた漫画『進撃の巨人』(鶴山文化社で9巻まで発行)だ。日本の漫画家・諫山創のデビュー作で、日本だけで累積発行部数1200万部突破、第35回講談社漫画賞などを受賞した作品だ。新たに話題になったのは先月、日本のMBS(毎日放送)でアニメーション放映が始まったためだ。このニュースが韓国ファンたちにも伝えられ『進撃の巨人』は一時ポータルサイトのリアルタイム検索語1位にあがり、国内ケーブルチャネルやインターネットテレビでも放送され始めた。
内容はこうだ。人間を食べてしまう巨人が出没して人類は絶滅の危機を体験し、生き残った人間は50メートルの城壁を幾重にも築き、その中で生きていく。そして100年後、壁を凌駕する超大型巨人が再び現れて人間を攻撃する。巨人によって母親を失った主人公の少年エレンと友人は軍隊に入って巨人と戦う。
巨人がのさばる世の中は「強い者が弱い者を取って食べるという、親切なほど理解しやすいこの世界」に対する隠喩だ。そして作家は、この絶望的な状況に安住するのか、相対して戦うのかを尋ねる。漫画にはこのようなセリフがしばしば登場する。「戦わなければ勝つこともできない」「何も捨てられない人は、何も変えられないだろう」など。 世の中という巨人に、力いっぱいぶつかってみろという直接的なメッセージだ。しかしこのようなメッセージのほかにも、近頃の若い世代にアピールする多様な魅力がこの漫画にはある。巨人が街区を1つずつ陥落することと、多様な武器でこれに対抗する人間はオンラインゲームの構図と似ている。インターネット掲示板などでは巨人の正体は果たして何なのかなどミステリー性のある設定について激しい議論が飛び交う。
だから、近頃の子供たちの好みが気になるご父兄ならば、この漫画を一度読んでみるように(参考までに漫画本は“15歳以上”だがアニメーションは“19歳以上視聴可”等級)。「こんな残忍な漫画を見ているということ?」と驚くかもしれない。だが子供たちは話す。「勇気ある主人公の姿に、胸が躍った」「この漫画を読んで、挑戦するということについて考え直すことになった」と。
イ・ヨンヒ文化スポーツ部門記者
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