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<開城工団>先に挑発の金正恩…20万人の生計を断つか、後退するかのジレンマ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
朴槿恵(パク・クネ)大統領が開城(ケソン)工業団地の韓国人撤収という強攻カードを取り出し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記がジレンマに陥っているという分析が出ている。韓国側に圧力を加えるために先に従業員撤収を強行した金正恩の“強硬姿勢”がむしろ足かせとなる格好だ。

開城工業団地の北側の管理責任を担当する中央特区開発総局は27日、報道官の発表で、「われわれは6・15(南北共同宣言)で生まれた開城工業団地を大切に考えているが、恩をあだで返す者に恩寵を施す考えはない」とし、韓国側に責任を転嫁した。しかし「工業地区の食料が尽きたのではない」「(南側が)重大措置などと傲慢無礼に対話提案をしたことはかつてなかった」と指摘するなど、当惑する姿も見られた。

金正恩の最初のジレンマは、工業団地閉鎖を北側が先に“挑発”したという点だ。北朝鮮は9日、北側従業員5万3000人を一方的に撤収した。対南圧力だったが、結果的に開城工業団地閉鎖の加速ペダルを踏む格好となった。


朴槿恵大統領は「約束が突然破棄されれば、誰が投資するのか」とし、北朝鮮の措置が国際社会の約束違反という点を浮き彫りにした。

ソウル市立大国際関係学科のファン・ジファン教授は「北が序盤、主導権を握るために予想より速いペースで通行制限と従業員撤収を進め、開城工業団地問題の対話の余地をなくした」と指摘した。

2つ目のジレンマは開城従業員と住民の不満だ。北朝鮮は当初、開城工業団地カードで韓国への圧力とともに内部結束を狙った。しかし開城工業団地が暫定閉鎖という破局に向かい、むしろ内部の不満を高めることになった。脱北者など対北朝鮮団体では「『工業団地はおもちゃではない。開城の人たちの暮しが厳しくなっただけ』という不満が開城市民の間で強まっている」という話が広まっている。

3つ目のジレンマは開城工業団地の責任の所在めぐる内部葛藤だ。金正日(キム・ジョンイル)元総書記の遺訓事業である開城工業団地を交渉カードとして使用したことに対し、責任をめぐる論争が生じる可能性がある。

柳浩烈(ユ・ホヨル)高麗大北朝鮮学科教授は「開城工業団地に不満を抱いてきた軍部強硬派と統一戦線部に代表される穏健派の間で内部葛藤が強まる可能性も排除できない」とし、開城工業団地による内部葛藤が北朝鮮の不安要素となる可能性があると指摘した。北朝鮮の立場では朴槿恵大統領との最初の駆け引きで主導権を失ったのも痛手だ。。

柳教授は「開城工業団地圧力、南北対話の再開という出口戦略シナリオを念頭に置いていた北が、朴大統領との駆け引きで完全に劣勢になった」と分析した。専門家は「北も中国の特使や朝米関係改善状況によって開城工業団地を回復させる名分を待つだろう」(キム・ヨンヒョン東国大北朝鮮学科教授)とし、金正恩が苦心しているとみている。



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