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間食用のインスタントラーメンを食事に…“孤島”開城での24日間

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「何か被害を受けるのではと心配し、できるだけ外出を控えた。後に食品もなくなり、庭に植えていたネギやホウレンソウ、セリ、ヨモギをとっておかずにした」。

開城(ケソン)工業団地滞留職員の完全撤収が始まった27日昼。南北出入国事務所(CIQ)を通じて帰還したファインレナウン法人長のチェ・ミョンシクさんはこう語った。チェさんは「すべての出入り口に“立ち入り禁止”と書いた案内を貼った後、二重でかぎをかけて出てきた。複雑な気持ち」と話した。その間の生活については、「9日に北側従業員が撤収した後、駐在員は工場設備などを見回りながら心配ばかりしていた」と伝えた。

A製造会社のキム部長は「昼間は主に在庫の把握と工場の整理をしながら過ごした」とし「日課時間後は残っている駐在員があちこちでテレビの前に集まり、南側の情報に耳を傾けていた」と説明した。


3日の北朝鮮の通行制限措置以降、食料の供給が途切れ、食事が問題になった。チェ氏は「幸い、私たちは社内で食堂を運営し、1週間分の食料が確保されていた」とし「後に食料がなくなり、現地の食堂までが撤収したが、北側従業員に間食用として提供していたチョコパイ・ラーメンを食べながら生活した」と話した。

軍服姿の北朝鮮軍2、3人が1組で工業団地の出入り口で警戒勤務していたことを除いては、北側関係者の工業団地出入りも徹底的に封鎖されていた。フェンスで囲まれた工業団地内部には南側駐在員だけが残り、孤島のような状況だった。ある駐在員(59)は「息を殺すように過ごしたのは確かだが、(南北双方の人たちが)お互い刺激しないという表情だった」と伝えた。

南側駐在員に対する身辺の脅威はなかったが、“心理的不安”は隠せなかった。特に、開城工業団地で南側と通信できる唯一の手段の電話連結時は緊張感が高まったという。匿名を求めたある駐在員は「固定電話は北朝鮮がいつでも盗聴できる装備なので、言いたいことを言える状況ではなかった」と述べた。

デファ燃料ポンプのク・スンヒ開城法人長は「晩に宿舎で一人でいるのが不安で、現地に一緒に残っている他の工場の職員2、3人と一緒に寝ていた」と話した。

こうした中でも北側従業員の情報が駐在員に伝えられた。ある駐在員は「北側警備員から『(開城工業団地の従業員は)ダムの建設などの労力に動員されるが、仕事が非常にきつい』と聞いた」と話した。また「北側の警備員や従業員も工業団地の再稼働を望む表情だった」と伝えた。

工業団地撤収時は“罰金ハプニング”’もあった。別の法人長は「北朝鮮から出る時、申告していない物に対して税関員が20ドル、30ドルずつ罰金を支払わせた」とし「最後まで外貨を稼ごうとしているようだ」と語った。

駐在員が撤収し、企業の出口戦略が表面化した。衣類会社ファインレナウンのパク・ユンギュ会長(61)は「職員のうち数人は最後まで工場を守ると話したが、今は状況を受け入れるしかないようだ」とし「危険は大きいが、それでも企業活動を続けるための方法を考えている」と話した。

入居企業は政府の補償が十分でない場合、法廷攻防も辞さない雰囲気だ。すでに開城工業団地企業協会は政府に要請する被害補填額を算出している。開城工業団地の事情に詳しい中小企業界の関係者は「被害補填金額の規模は1兆2000億ウォン(約1000億円)以上と推定されている」と述べた。

政府の開城工業団地出口戦略も本格的に稼働している。中小企業庁は各企業当たり最大10億ウォン限度の緊急経営安定資金を支援し、従来の政策資金償還も最大18カ月猶予する方針だ。国税庁は付加価値税還付金を入居企業に早期に支給することにした。輸出入銀行は南北協力基金のほか、独自の財源で入居企業に対する貸出限度を現在の輸出実績の60-90%から100%に拡大した。



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