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【コラム】最大の危機を迎えている韓国の建設産業、希望は…(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
このような多面的な職人は、人類学者クロード・レヴィ=ストロースが『野生の思考』で確立した概念「ブリコルール」につながる。辞典ではブリコルールは器用な人を意味する。文明世界のエンジニアは目的に合う材料と道具がなければ仕事ができない。一方、野生世界のブリコルールは限られた材料と道具を新しい方式で活用することで現実を突き進んでいく。行動しながら考えるマクガイバーのような存在だ。番組「ジャングルの法則」に出てくる“ビョンマン族”を思い出すかもしれない。

産業専門家は融合の時代に必要な人材がブリコルールだと口をそろえる。いま工学と美学に橋をかけるブリコルールが切実な分野が建設産業だ。建設産業は人の手に依存する分野だ。スマートフォンとのような製品は機械やロボットを利用して精密に大量生産できるが、建設は先端技術があるといってもすべての過程に人の手が入らなければならない。現場状況によって材料と工法は応用され、変容されなければならない。

建設産業でブリコルールは建築家に似たエンジニア、エンジニアに似た建築家、エンジニアと建築家の間のコンサルタント、または現場の熟練工でありうる。この人たちが与えられた条件を新しい方式に転用する逆発想をする時、高付加価値の結果が出てくる。


建築家の伊東豊雄氏はインタビューでこういう話をした。「韓国の建築は優秀な人材はいるが、社会が新しいものを許さないのが問題だ。日本は比較的新しいものを容認する文化がある」。私たちより20年先に不動産バブルの崩壊とともに建設産業の沈滞を経験している日本が、世界最高の建築強国の地位を維持している秘訣であろう。

韓国の建設産業は今、最大の危機を迎えている。危機の波紋は大きい。統計上の数値に表れない多くの人たちが建設業界の内外で働いているからだ。しかし危機を希望に変えるブリコルールも間違いなく彼らの中にいる。

キム・ソンホン・ソウル市立大教授・建築学



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