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【社説】韓半島の危機管理に万全を尽くす時

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
緊張を高める北朝鮮の攻勢が最終段階に向かっている。北朝鮮は過去に見せてきた行為を一気に浴びせている。停戦協定無効化宣言、戦時状態宣言、戦闘準備態勢の強化、軍事訓練の強化、南北・朝米間連絡線の遮断、開城工業団地通行制限などすべてのカードが動員された。平壌(ピョンヤン)駐在外交官退去圧力なども新たに見せた。このように戦争が迫ったことを知らせられる手段を総動員している。金章洙(キム・ジャンス)青瓦台(チョンワデ、大統領府)国家安保室長が“ヘッドライン戦略”と話す方式だ。

北朝鮮の意図についてはさまざまな分析が出ている。「若い年齢で権力を継承した金正恩(キム・ジョンウン)が権力基盤を固めようとしている」「貨幣改革(デノミネーション)の失敗など経済難解消のための努力が成果を出せず、緊張を必要としている」「3度目の核実験を契機に核能力を誇示し、核保有国の地位を固めようとしている」などだ。

いかなる意図があれ韓半島の緊張を高めるという目的は、制約的ではあるものの効果を出している。韓国株式市場では「北朝鮮リスク」を懸念した一部の外国系資金が流出し、外国メディアは連日、韓半島危機論を報じている。


しかし北朝鮮が注いだ努力に比べると、全般的に反響は大きくない。韓国政府は「落ち着いた、断固たる対応」を強調し、危機論が過熱するのを防ぐことに焦点を合わせている。北朝鮮の挑発が続く中でも、市民は大きな不安感を表していない。米国も韓米同盟に基づぐ防衛の意志を言葉と行動で誇示し、状況を統制可能なレベルに維持しようと努力している。

北朝鮮は挑発を今後どれほど続けるのか。咸鏡北道豊渓里の核実験場周辺では4度目の核実験を準備する兆しが見られる。太平洋の米国領土グアムを狙ってミサイルを発射するような準備も把握されている。北朝鮮がミサイルを発射すれば、米国は迎撃に出る可能性が高い。すでに米国はXバンドレーダーやイージズ駆逐艦を韓半島周辺に配置し、迎撃準備を終えた状態だ。

状況がここまでくれば、韓半島情勢はもう一度大きく揺れる見込みだ。北朝鮮がミサイルを発射して米国が迎撃するシナリオは、米国と北朝鮮が軍事的に直接衝突する状況だ。1968年の米プエブロ号拿捕事件、1976年の板門店(パンムンジョム)斧蛮行事件当時のように、一触即発の危機局面が形成される危険性が高い。

政府の危機管理能力がいつよりも重要な時期だ。北朝鮮が起こす“北風”がすべてをのみ込む破壊的な台風に悪化しないよう万全の対応をしなければならない。“緊張ムード”に頼る北朝鮮に振り回されないよう機敏で柔軟な対処が必要だ。誤った判断で状況が急激に悪化することも防がなければならない。一定の時点になれば局面転換を誘導できる「出口戦略」も準備しておく必要がある。暴風雨が過ぎた後は晴れた空が現れるようになっている。



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