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脱北者、NLLをゆうゆうと越え…韓国軍出動も「ときすでに遅し」(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
午後10時49分、ジンフン3号がNLLを越えた時点に船長が彼に携帯電話をかけた。当時、「私は将軍様(金正恩、キム・ジョンウン)のところに行く」と話したと軍消息筋が伝えた。これに対して船長が「今からでも帰ってきなさい」と言って説得したが彼は「船長、だからいる時によくしてくれるべきだろう」と悪口を浴びせたという。

延坪島レーダーがジンフン3号を探知した時間はこの日午後10時46分ごろ。ジンフン3号がNLL南方0.6海里(1.08キロメートル)地点まで近接していた時点だった。民間漁船のNLL越北が差し迫った緊急状況であることを一歩遅れて把握した西北島嶼防衛司令部は午後10時51分、延坪島南側タンソム基地に係留中だった海軍高速艇チャムスリ号に出港を指示した。すでにジンフン3号がNLLを越えて2分後であった。午後10時54分チャムスリ号が出港した時、ジンフン3号はすでにNLL北方でゆうゆうと北朝鮮側海岸に接近していた。彼が延坪島船着き場を出発した時点からNLLを越える時まで約16分時間があったがジンフン3号は何の制止を受けないで北朝鮮に行ったのだ。

他でもなく2010年11月、北朝鮮の砲撃挑発が繰り広げられた敏感な西海、最北端島で脱北者が堂々と就業を理由に帰ったことから納得するには難しいという指摘が出ている。彼は4回脱北した後、今回を含め4回北朝鮮に行った怪しい経歴の持ち主であった。ある対北朝鮮消息筋は「脱北前歴から見ると十分偽装脱北のにおいがする人物だった」と吐露したが、何の特別管理もなかったと伝えられた。セトミン(脱北者)支援施設であるハナ院で適応教育を終えた彼は2007年以後、慶尚北道浦項(キョンサンブクド、ポハン)一帯で船員として働いてきて先月21日ごろ、延坪島に入ったと韓国当局は把握している。対北朝鮮消息筋は「北朝鮮が戦争脅迫を吐き出した時点なので彼がソウルを行き来して機密収集活動をしていたのか調査が必要な大きな課題」と伝えた。


国防部当局者は「脱北者が敏感な西海北方島嶼地域で漁船を窃取して北朝鮮に行った事例は今回が初めて」としながら「防御について弱点が露出しただけに総合的・構造的な補完対策が切実だ」と打ち明けた。



脱北者、NLLをゆうゆうと越え…韓国軍出動も「ときすでに遅し」(1)

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