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<辻調社長インタビュー>(3)「韓国では“シェフ”が人気だが…」

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版

大阪辻料理研究所では10人余りの研究員が毎年10冊超の専門書籍を出版する。現在700冊を超える本を出版している。(写真=辻調)

--日本の医師が書いた一日一食(夕食)だけ食べる健康法が人気だが。

それは医師の見解というだけのことだ。辻調は、生理学的に料理を通した幸福をプレゼントしようと思う。人間は長生きゲームをする動物ではない。(人によって違うだろうが)私は健康のためにまずいものを食べて10年生きるよりは、おいしいものを食べて2時間の幸福を感じるほうを選ぶ。料理を通じて何か学ぶと感じるのも幸福の一部だ。何の感情もなく一日を暮らすことより、料理を通じて感じて考えるようにしたい。そのような面で美食の意味を考えている。

--韓国ではこのごろ“シェフ”が人気だ。料理留学もブームだが。


料理人の認識に対する過渡期だ。シェフはお金をよく稼ぐという幻想を持って、留学に行ってきてはオーナーシェフを夢見る傾向がある。「お金のために料理人になるな」と忠告したい。まずは夢見る“ロールモデル”をたてろ。メディアで話題になるシェフはごく少数だ。彼らがモデルではない。お金を儲ける手段としてトレンドを闊歩するような料理人は失敗する。いつも学ぶ姿勢で研究する謙虚な人が最上のシェフになるだろう。

--辻調は貧しくても料理への情熱があるならば進学が可能なのか。1年間の教育費は214万円だというが。

毎年100人余りが奨学金を受ける。情熱があるなら高等学校の先生の推薦で入学することができる。教育費は高い方だが確実なシステムのもとで責任感を持って人材を育てて出していると自負している。教育方式も先生が一方的に教え込むのではなく、学生が自ら学ぼうと思う心がけを教える相互間バランスが中心だ。先生は学生がどんなロールモデルをたてて、どんな分野、どんな職場に行くのかを助ける。学生の60%以上が具体的な料理ジャンルを定められないまま始める。多様な教育を通じて悩みながら進路を決めることになる。

“話さず食べ物に集中しなさい”という家庭教育

--初めての職場は金融会社だったが、家業を継承した理由は。

10歳のときに英国留学に行って、父が亡くなる1年前(28歳)に帰ってきた。辻調をつぶすわけにいかなかった。幸い美術史専攻と金融業6年の経験で戦略を学んだ。幼いころ父は「自分の限界を知れ」と教えてくれた。おいしい料理を食べながら美食の理解を広げ、これを商業的につなげていくことも学んだ。大人になってからは「相手に与えた恩は忘れ、受けた恩は一生かかっても必ず返せ」だった。亡父は料理については「すべての料理には、作る人の品格が含まれている」と言っていた。

(亡父は読売新聞社会部記者であった辻静雄氏だ。彼が1980年に英語で書いた『Japanese Cooking-a Simple Art』という本は、西欧人の日本料理入門書に通じる。30代初め、妻の実家の料理学校を引き継いで辻調を設立した。彼は息子に留学を通じて世界的な見識で日本料理を見ることができる機会を与えた。)

--息子に与えている教育を一つ。

おいしい料理を食べる時は「話をせずに料理に集中しなさい」というのが唯一の家庭教育だ。正しい姿勢で座って食べ物に集中してこそ味覚が最大限に生き返る。話をすれば味覚の一部をなくす。同じように食事をする時に音楽を聞いても味覚が変わる。(中央SUNDAY第315号)



<辻調社長インタビュー>(1)「韓食グローバル化、料理で儲けるつもりなのか」

<辻調社長インタビュー>(2)「韓国での料理教育、柔軟な方式が合う」

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