円安は進むべきか止まるべきか。果たしてどの線で円安が止まるかが焦眉の関心事だ。
だが午後に入ると再び円を売りドルを買う勢力が登場し円安に転じた。すると今度は菅義偉官房長官が出た。「いまは過度な円安が是正されつつある段階だ」。この発言は「すでにある程度円高が是正されたという事実を意味するもの」と解釈され、また88円台後半まで押し戻された。
15日の東京外国為替市場が見せたように円安の流れは速くて急だ。果たしてどの線で円安が止まるかが焦眉の関心事だ。対ドル円相場は早期の総選挙確定で安倍氏の首相就任が事実上固まった昨年11月14日当時79.45円だった。この時から円安が急速に進み今月15日には88.8円。2カ月間で12%も円の価値が下がったのだ。
それなら円の適当な線は果たしてどの辺りとみるべきだろうか。最近活発に議論されているのは「90円限界説」だ。日本経済新聞が11日に開催した景気討論会で日本商工会議所の岡村正会頭(東芝相談役)は「90円を超える円安は材料価格が上がって苦しい」と指摘した。「輸出企業を苦しめてきた超円高の修正は歓迎だが、輸入物価が上がる円安もまた困る」とし、適正為替相場として1ドル=85~90円を提示した。
2年前の2010年に日本経済新聞が日本企業の社長100人にアンケート調査をした当時でも回答者の60%ほどは「100円以上、110円未満が望ましい」と答えていた。同紙は、「90円は過去のイメージからすればまだかなり円高水準。企業の円安への許容度は、2年余りで20円も動いたことになる」と解釈した。
進むべきか止まるべきか、円安の悩み(2)
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