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強力なオーナーシップのある韓国、日本とは別の道を行く

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

JPモルガン証券日本株ストラテジストの北野一氏は20日、「韓国は日本と同じ道を行きはしないだろう」と強調した(写真=JPモルガン証券)。

「いまの日本は韓国の未来の姿ではない」。

JPモルガン証券日本株ストラテジストの北野一氏の主張だ。昨年初め日本経済新聞は北野氏の報告書を引用し、「韓国は“失われた10年”に入り込むかも知れない」と報道した。

失われた10年は1990年代初めの日本経済のバブル崩壊後に続いた1990年代半ばから2000年代初期の不況をいう。2000年代半ばから反騰するかと思われた日本経済の沈滞は最近まで続き、「失われた20年」と呼ばれたりもする。


北野氏は、「韓国が日本と同じ過ちを犯すならば“失われた10年”を迎えることもあるが、そうはならないとみる」と説明した。20日に投資家説明会のために訪韓した北野氏とソウル市内のホテルで会った。

――韓国は日本と似た道を行くだろうか。

「そうはならないようだ。まず『日本化(Japanication)』に対して考えてみよう。日本はなぜ日本化されたのだろうか。日本がいわゆる“失われた10年”の間にどのように対処したのか考えてみなければならない。高齢化と人口減少は日本経済の弱点だ。もし失われた10年が全てこのためならば韓国も日本化するだろう。ところが違う。失われた10年の原因は別にある」

――それは何か。

「日本銀行はほぼ15年にわたりゼロ金利政策を取っている。金利だけ見れば投資にかかる費用は非常に安い。しかし投資する時は金利に加え自己資本費用まで考慮しなければならない。これは自己資本の価値を維持するために最小限求められる収益率だ。この費用以上に収益を上げられなければ自己資本の価値は減少する。日本では金利は低いが自己資本費用が高い。15年にわたりゼロ金利なのに企業が投資をしない理由だ」

――韓国は日本と状況が違うと言ったが。

「日本では90年以前まで自己資本でどれだけの利益を達成できるかを重要と考えなかった。80年代のバブル当時、日本企業は循環出資、すなわち互いの株式を交換して規模を拡大した。自己資本の利益率を高めても相手企業にだけ良いことをする格好になったのだ。そのように価値は考えずに規模ばかり拡大していたら株価にバブルが生まれた。バブルが消え反対にだれもが利益率ばかり強調し始めた。新規投資をすれば当面は利益率が落ちるほかない。しかし投資しなければ成長は不可能だ。日本企業は投資をしないから沈滞に陥ったのだ。韓国はそうではない」

――具体的に話してほしい。

「サムスンを見よう。オーナーがいると当面は利益率が減るのを甘受してでも投資を果敢にする。日本ではそのような投資決定は理事会も通過できないことだ。サムスンは投資を継続しながらグローバル企業に成長した。日本でも失われた20年の間に最も大きく成長した企業3社(日本電算、ヤマダ電器、ニトリ)はすべてオーナーシップがある」

――財閥構造に肯定的なのか。

「無条件で財閥に賛成するのではない。長所と短所がある。二極化の問題は世界的な現象だ。韓国でも財閥に対する反感は多いものと理解している。しかしそれでも株主中心の意志決定構造に進むのが韓国経済に良いことなのかは考えてみなければならない。果敢な投資ができる意志決定は強力なオーナーシップがある時に可能だ」



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