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韓国・南大門の両替商「商売しない方がむしろ金が残る」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

6日、ソウル・南大門市場で両替屋がお客を待っている。両替屋は「ウォンが日ごとに上がりお客が急に途切れた」と話す。

「商売はしませんよ。ドルは受け取らなくなってだいぶ経つし、円も元も受け取りません」

雨がしとしと降る4日午後2時、ソウル・南大門(ナムデムン)市場。市場の入り口で10平方メートル余りの両替所を運営するソ・ギョンスクさん(仮名)は、「ドルを両替に来た」という記者の言葉を手でさえぎった。「銀行が閉まっているきょうは稼ぎ時ではないか」と言うと先月の話を切り出した。「日曜日の午後に5000ドルを受け取ったが次の日に為替レートはドルが20ウォン近く下がり10万ウォン損した」ということだ。ソさんは、「次の日は心臓が震えて死ぬかと思った。ウォンがこれだけ上がった時は商売しない方が残るもの」と話した。

高騰するウォンに路上の両替屋もほとんどが店を畳んだ。ウォン高の流れがあまりに強いためだ。昨年末現在で韓国銀行に登録された両替業者は1243人。だれよりウォンの動きに敏感で自ら為替レートを予測する“秘法”も持っている街の専門家たちだ。


だが、路上に出てくる数は最近大幅に減った。路地で会ったある両替屋は、「無条件で金を稼げるウォン安の時期にはここだけで数十人いたが、きょうはたった3人だ。ドルが下がる時は売ろうという人も、買おうという人もほとんどいない」と話した。売ろうとする人はドルが反騰するのを待ち、買おうとする人は反対にさらに下がるのを待つためとの説明だ。商店街に店舗を構えそこそこ稼いでいた所もこの1~2カ月の間に数カ所が店を閉めた。

円と元の両替需要も大きく減った。これら通貨もやはりウォンに比べ相対的に下落傾向を見せているからだ。5日午前、ある日本人観光客が南大門に近い両替屋で9万円を両替した。120万ウォンほどを握ったこの観光客は、「年初に来た時よりウォンが大きく上がり思い切り替えることはできない」と顔をしかめた。両替屋は、「観光客需要より韓国人から多額のお金が出てこないのがさらに問題」と話した。円が高いとタンス預金の円をウォンに両替しようとする人が増えるということだ。

両替屋よりもお客の方が大幅に減ったため競争はさらに激しくなった。5日午前、10人余りの両替屋が集まっている路地で「3000ドルを売る」と持ちかけたところ「(ドル当り相場は)1080ウォンだが1085ウォンにする」という返事が帰ってきた。引き返すふりをすると40代に見える若い両替屋が近づいてきてスマートフォンの画面を突きつけた。「基準為替レート:1ドル当たり1093ウォン、売る時1072ウォン」というリアルタイム検索結果だった。彼は「1ドル当たり1086ウォンで替える。年上の人たちより情報が速いからこの程度までしてあげるのだ」と恩着せがましく話した。

リスク管理も明確になった。ドルや円が持ち込まれるとすぐに銀行でウォンに替える。両替屋はウォン高が今後も続くとみているという話だ。ある両替所の代表は、「以前はドルや円が下がれば銀行に売らず再び上がる時まで待ったが、最近はすぐに替えている。1ドル当たりの差益は2ウォン程度と少ないが、持ったまま心配の種を背負い込むよりましだ」と話した。南大門近くの両替屋も「3000ドルになればすぐに銀行に電話して持って行くように言う」と話した。

LG経済研究院のペ・ミングン責任研究員は、「世界経済の流れから、ウォンが来年1ドル当たり1040~1050ウォンまで上がる可能性がある。貿易と観光・産業に対する衝撃を減らすための速度調節が必要だ」と指摘している。



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