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【取材日記】危機の韓国造船ベルトを生かそう

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国造船産業の歴史を語る時、故鄭周永(チョン・ジュヨン)現代グループ名誉会長の「亀甲船」エピソードが欠かせない。 鄭会長は1970年、蔚山造船所を建設するために英国の銀行から融資を受ける際、亀甲船が描かれた500ウォン貨幣1枚を担保に出した。 整った造船所もないが、1500年前に鉄甲船を建造した技術力がある民族であることを主張した。 このように借りた資金で現代式船舶建造施設を備えた造船所を建設し、2隻のタンカー(26万トン級)を建造した。

造船所の最も大きな競争力が人であるために可能なことだった。 韓国造船産業が船舶輸出分野で世界シェア1位である最近も、現場で船舶を建造するのはほとんど手作業で行われる。 船会社の要求通りに作るためだ。 数十年の経歴を持つ現場勤労者を「名匠」と呼んで待遇する理由もここにある。 後輩を育成し、世界市場で競争力を持つ船の建造を可能にする、造船所の財産だからだ。

しかし最近の造船産業の危機で、40年以上育成されてきた造船人材プールが崩壊している。 グローバル景気沈滞で船舶受注量が減り、ほとんどの中小造船会社がリストラに入った。 大韓民国の造船メッカとされる「南海岸造船ベルト」は倒産危機を迎えている。 統営の造船会社の新亜sbで会った職員は「食べていけないので、ベテランの船舶溶接工が田舎でビニールハウスの溶接をしている」と話した。


20年前の日本の状況も似ていた。 90年代の造船業界の不況で日本の造船分野の人材は各方面に散らばった。 危機を迎えた日本造船業界は主力業種を重工業に変更した。 大学からは造船関連学科が消え、現場では人材供給が途切れた。 その結果、また造船好況期を迎えた時には韓国に世界1位を明け渡した。 量的な側面でも造船産業の雇用効果は大きい。 工学翰林院によると、10億ウォン(約7000万円)を投資する場合、半導体産業は4.4人を、造船は12人を雇用する。 すなわち造船所一つが閉鎖される場合、地域経済も同時に揺れることになる。 統営市の場合、主要造船所の破産が続く中、人口が大きく減り、商店街も衰退している。 固城・金海・梁山などの造船所に部品を供給する機資材業者が集まる地域も危機を迎えている。

このように造船産業とその関連産業が形成するネットワークはぼう大でありながら目は細かい。 造船産業は、造船所の職員、納品会社の職員、地方自治体の住民をはじめとする数多くの人が当事者としてつながっている。 造船所一つが整理されて危機が終わるわけではない。 日本の前轍を踏んで世界トップの座を奪われないか心配だ。



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