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【社説】出馬を宣言した安哲秀の課題=韓国大統領選

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
1年前から政界に濃霧を広めてきた安哲秀(アン・チョルス)ソウル大教授が昨日、第18代大統領選挙出馬を宣言した。2012年の大統領選挙はひとまず朴槿恵(パク・クネ)-文在寅(ムン・ジェイン)-安哲秀の3強構図となった。野党候補の一本化というイベントがもう一つ残っているが、政界の不透明性は大きく減った。

安教授はその間、政治に対する国民の不信感を土壌に場外で高い支持率を楽しんできたが、今回、大統領選挙の舞台に公式に登場したのだ。それだけに自分を有権者の前に全面的に露出させ、激しい資質検証を受けなければならないだろう。特に朴槿恵・文在寅候補はそれぞれ与党と野党の党憲・党規、政党法の規定に基づき、公開選挙戦の過程をたどったのに対し、安教授はこうした手順きを踏んでいないだけに、無賃乗車のような安楽はこれ以上許されないだろう。

安教授は出馬会見で、普段から好んで使っていた第三者話法を捨てて、「第18代大統領選挙に出馬する。自分に与えられた時代の宿題を担う」と短くはっきりと明らかにした。安教授は出馬の理由として「政治が変わってこそ私たちの生活が変わる。選挙過程から憎しみと分裂の政治を克服しなければ、誰が大統領になっても国民は憎しみと分裂の時間を送るしかない」と述べたのは、韓国の時代状況を見れば適切な認識だ。


過去の政権に対する評価で「大韓民国のすべての政府は功もあり過もある」と明示したのは、政派的な思考から進展したバランスが取れた歴史認識だ。1987年以降、韓国の民主化は急速に発展したが、その過程で「わが陣営の執権のためには手段と方法を問わない」という後進的な陣営論理、政治工学、集団争いが選挙戦を支配することになった。こうした面で安教授の政治第一声が、高圧的な政争スローガンではなく、「政治刷新を通じた国民統合」という点は十分に注目を引く。

出馬宣言で“安哲秀の考え”は鮮明に表れたが、“安哲秀の実力”はまだよく見えない。 大統領選挙まで90日しか残っていない中、安教授は誰のように政治をするというのか、選挙を行う組織体系はどう設けるのか、候補一本化にはどう対処するのか、具体的な政策はどんなものかなど、全く話していない。 準備ができていないのか、それとも戦略的な隠蔽か。 予告編政治、タイミング政治で1年間にわたり有権者に疲労感を与えながら、ようやく蓋を開いたことを考えれば、貧弱であり誠意を欠いている。

国家統治は大統領とその勢力、またはその政策的な信念を分かち合い、責任を負うことにした政党と一緒にするものだ。 安教授は「今後、機会を見て、礼儀をわきまえて適切に紹介する」と述べたが、そのように先に延ばすことではない。

2002年に安教授と似た立場にいた鄭夢準(チョン・モンジュン)候補は、自分の価値と勢力と政治力を立証するのに失敗し、政治舞台の中心に立つことができなかった。 安哲秀教授はこの3つのうち勢力と政治力をまだ立証できていない。



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