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【取材日記】「真実のない事実」…T-ARAファヨンのツイートから見る韓国アイドル事情

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
アイドルグループに時ならぬ「いじめ議論」がふくらんだ。まないたに上がったグループは8人組ガールグループのT-ARA。T-ARAは2009年7月にデジタルシングル『嘘』でデビューした。当時には6人組だった。その後『Bo peep Bo peep』で頂点に上がり、『Roly-Poly』『Lovey-Dovey』など多くのヒット曲を出した。

「いじめの当事者」とされたのは2010年末に加入したリュ・ファヨン(19)だ。T-ARAは今年6月にはイ・アルム(18)まで迎え入れ8人組になった。最近右足首を負傷したファヨンは25~26日に日本武道館で開かれたコンサートでまともに立つことができなかった。これをめぐりツイッターでファヨンと残りのほとんどのメンバーの間に「意志の問題か、違うのか」で不仲がふくらみ「ファヨンいじめ説」が急速に広がった。

議論が拡大するとT-ARAが所属するコアコンテンツメディアは30日に重大発表として「ファヨンとの契約を解除する」と明らかにした。事実上の脱退だ。所属事務所は、「ファヨンがチーム最年少でありながらトップスターのような振る舞いをした。生放送に穴を開けるなど数十種類の事件を起こしマネジャーなどスタッフを疲弊させた」と主張した。「いじめ説」は「事実無根」と一蹴した。


するとファヨンは再びツイッターに「…真実のない事実」と書き込み反発した。ネットユーザーらもやはり所属事務所の説明は信じられないという反応だ。彼らは「T-ARAに真実を要求します」というネットサークルを作った。歌謡関係者らは今回の事件がK-POP拡散に否定的な影響を及ぼすとみている。

歌謡界ではこれまで潜在されていた不仲要因が出てきたとみている。実際にアイドルグループは生まれから不安な構造だった。音楽性を中心にグループが結成されるのではなく、企画会社によって組み合わされる場合が多いためだ。10~20代の青少年が長く合宿生活を過ごし、メンバー間の人気に違いが生まれながら互いにやりにくくなる素地が大きかった。最近では通常3~4人だったアイドルグループのメンバー数が7~9人に増え、グループ内で摩擦が起きる確率が増幅された。

T-ARAのいじめ議論も大きく見れば韓国のアイドルグループのこうした構造的特性と関係がなくはない。それでもこれを無条件で批判する考えはない。組織的・体系的訓練はK-POPが世界へはばたく原動力になったという事実を否定する人はいないためだ。

核心はグループ全体およびメンバー1人1人に対する繊細な関心だ。メンバー間に誤解の素地ができないよう対話の場を用意し定期的な相談の場も用意しなければならない。実際に一部企画会社は外部講師を招いて心理相談などを進めている。韓国のアイドル市場はすでに飽和状態だ。それでも新人グループは次々と出てくる。アイドル育成体制の転換なくては「第2のいじめ議論」が起きかねない。



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