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【コラム】恋愛ばかりする韓国ドラマ?

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
最近ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に出回った「韓国ドラマのジャンル別特徴」というのがある。米国ドラマ・日本ドラマと比較した。「韓国の医学ドラマ-病院で恋愛する。パイロットドラマ-空軍で恋愛する。警察ドラマ-警察署で恋愛する。スポーツドラマ-スポーツして恋愛する…。」こんな感じだ。

共感する人は多いだろう。突き詰めればきのうきょうのことではない。

しかし見方をちょっと変えてみれば韓国ドラマはうんざりするほどラブストーリーばかりだが、すべてのジャンルをロマンスに帰結させる卓越した能力があるとも言える。アジアを越え欧州まで進出したドラマ韓流の主要ジャンルもロマンチックコメディだ。例えば韓国最高の作家のキム・スヒョンのドラマは海外でほとんど売れない。「冬の鳥」1本が日本に販売されただけだ。時代劇は歴史的経験が違うため当然人気がない。韓国では視聴率即効薬の「なんでもあり」の連続ドラマも格別な面白みは見られない。


欧州の韓流専門家のホン・ソクキョン仏ボルドー大学教授によると、このような傾向は韓国ドラマが「西欧の大衆文化テキストから完全に消えたロマンチシズムを含んでおり既存の西欧ドラマに食傷気味のファンたちにアピールしているため」だ。いや単純に大衆文化テキストだけでなく西欧の男女関係から次第にロマンチシズムが消えていることとも無関係ではないと話す。

男女がつきあえば肉体的関係に直行する西欧とは違い、エロチックさよりは慎ましい恋愛感情のかけひきを見せファンタジーを極大化する韓国のロマンス物に西欧のファンが郷愁と魅力を感じるという分析だ。

いま韓国のロマンスドラマは途方もないジャンル抱擁力を見せながら進化していきつつある。既婚男女のロマンスを通じて写実主義文学ができあがったのに劣らず、韓国社会の俗物主義に対し身震いする報告書を出すかと思えば(JTBC「妻の資格」)、ロマンスを統一という社会問題と結合したりもする(MBC「ザ・キング2Hearts」)。

過去を借りて現在に対する政治的発言をする時代劇も抑圧が多いためより一層劇的な愛の展開が可能なロマンスの時代装置としてたびたび選び出される(MBC「太陽を抱いた月」、KBS「王女の男」)。最近では過去と現在を行き来するタイムスリップがロマンチックコメディの大勢だ。朝鮮から来た高尚な人を古くさいイメージでなく風流を、いや現代にも十分に魅力的な恋愛のプロとして描いたtvN「仁顕王后の男」が代表的だ。

もちろんジャンルの偏りは大きな問題だ。韓流の未来とも関連がある。しかし「恋愛とは苦痛な人生がプレゼントした唯一の、最高のファンタジー」と言ったイ・チャンドン監督の言葉を借りれば、グローバルマーケットで公認された、恋愛ファンタジーの最上値を提供する韓国のドラマをとがめることでもないように見える。

恋愛ドラマばかりが幅をきかすならばそれは現実に本当に愛がなかったり、恋愛代理体験にもたれてでも脱走したいほど現実が乾いているのではないか。常にそうであるように、本当の問題はテレビの中ではなくテレビの外の現実にある。



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