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【コラム】スウェーデンパラドックスの韓国的条件

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ソウル江南(カンナム)は富の象徴として通じる。 地下鉄が網の目のようにつながり、高層スカイラインも拡張中だ。 夜になるとニューヨーク・東京・香港に劣らない夜景を誇る。 住宅景気の沈滞にもかかわらず、高級住宅やオフィステルが建設される。 緑も増え、自然環境は日々良くなっている。

表面上の姿とは違い、内部事情は以前のようではない。 江南区を見てみよう。 金持ちだと嫉まれてきた江南区は、慢性的な資金不足に苦しんでいる。 最大の原因は財産税収入の減少だ。 江南区の財産税収入は07年の2524億ウォンから昨年は1900億ウォン(約130億円)に減った。 08年から江南・江北(カンブク)均衡発展名目で財産税がソウル市共同課税に転換され、江南で集まった財産税の相当部分が江北地域に配分された影響だ。 住宅取引の鈍化は財産税収入減を加速させている。

一方で無償保育・無償給食などの各種福祉サービスが新設され、支出は大きく増えている。 江南区の社会福祉予算は08年の1176億ウォンから今年1675億ウォンに増えた。 同じ期間、一般予算のうち福祉予算が占める比率は20.4%から33.2%に上昇した。


こうした福祉支出の増加は避けられない。 国民所得の増加による自然な流れであるうえ、高齢化・二極化による社会安全網の拡充も必要になるからだ。 江南区には居住環境が劣悪な地域が現在も存在する。 しかし韓国最高の金持ち地域と見られている江南区も福祉支出に負担を感じているのが現実だ。 区役所での無料講座を有料化し、祝祭を廃止するなど緊縮に入っている理由だ。

財政自立度が低い自治団体の財政状況は言うまでもない。 こうした苦しみを表面化させた決定的な契機は、今年から本格化した0-2歳児無償保育の拡大だ。 16の広域団体が参加する全国市・道知事協議会は最近、自治団体負担分の無償保育財源を確保する能力がないと宣言した。 江南区と同じく富裕層が多い瑞草区(ソチョグ)は、来月以降、無償保育財源が枯渇し、追加予算を組まなければならない。 与野党が4・11総選挙で出した今後5年間・268兆ウォン規模の福祉公約が本格化すれば、政府と地方自治体財政は直撃弾を受けるしかない。

これではギリシャと同じ轍を踏まないという保証はない。 こうした事態を避けるには対策が必要だ。 ヒントは、ゆりかごから墓場まで福祉体制が構築されているスウェーデンのベンチマーキングにある。 しかし必ず知っておくべき前提条件がある。 一時的な失業者を除いて大多数の経済活動人口が働いているという点だ。 その結果、税金も多く出し、福祉の恩恵もたくさん受ける。 このように福祉レベルが高くても繁栄するスウェーデンパラドックスの原動力は一貫した成長だ。 スウェーデンは好循環構造を維持するため、一過性の福祉を減らし、成長の前提条件である働く福祉の構築に力を注いでいる。 こうした前提条件を満たせれば、私たちもコリアンパラドックスを楽しめるだろう。

金東鎬(キム・ドンホ)ナショナルチーム長



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