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【コラム】われわれが忘れている海外養子(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
しかしわれわれにとって海外養子縁組の問題は過去のことで他人事だ。戦後の混乱期に飢えてボロを着た孤児たちのために始まった海外養子縁組は60年間に20万人に達し、まだ続いているにもかかわらずだ。米国と欧州に行った多くの養子が成人になって韓国にやってきて韓国人らの無関心の中でどたばたして自身のルーツを探そうと努めているのにだ。

海外に出された養子は愛する家族や友人に自身が成長過程で体験した人種差別主義、喪失感、精神的ショックの苛酷な経験を話さないことに慣れるという。幼い時に韓国での人生について話し養父母が恐怖に青ざめ心を閉ざすのを見たという人もいる。彼らは白人社会に同化され沈黙の中に生き、中年以後に至って寂しさと疎外感が与える苦痛を悟り治癒することになるという(「人種間養子縁組の社会学」)。人種が異なる子どもを喜んで引き受け育てる養父母の深い愛と献身の前に養子は内面の傷があってもとても表わすことができないため彼らの苦痛は潜在しており表面にはよく見られない。韓国系養子の作家のジェーン・ジョン・トレンカの自伝的小説「血の言語」はこうした痛みを生き生きと示す。

最近フランスで閣僚になった韓国系養子のフルール・ペルランが話題だ。肌の色が黄金色の養子があらゆる困難と偏見に勝ち抜いて閣僚の座にまで上がったのは本当にうれしく喜ばしいことだ。だが、彼女が韓国系ということがわれわれが熱狂するべきことだろうか? 韓国人の優秀性がいま一度確認されたと自慢することができるだろうか? 両親に捨てられた海外養子という緋文字と傷はわれわれが与えたものであり、それを克服して今日の栄光の座に上がれるようにしたのは彼女と養父母の努力だ。彼女はこれ以上韓国人でも捨てられた子どもでもなく、どのフランス人とも違わないフランス人だ。


成功した少数の養子に対し注目するよりは海外養子縁組の陰と見えない彼らの傷に視線を転じなければならないだろう。成人になって自身のアイデンティティを確認しようと韓国にきてさ迷い悩む養子にも政策的な配慮と関心がなければならないだろう。



【コラム】われわれが忘れている海外養子(1)

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