北朝鮮の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長。
中国の胡錦濤・国家主席は3月のソウル核安全保障サミット当時、韓中首脳会談で、北朝鮮は民生に力を注ぐべきだという立場を明らかにし、北朝鮮外務省は22日、追加の核実験計画はないという意思を表した。
23日の中国・シンガポール外交消息筋によると、北朝鮮の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長は11-13日のシンガポール訪問中、トニー・タン大統領に会った席で、「北朝鮮は金正恩労働党第1書記を中心に安定していて、今後、民生問題の解決のために外交的に必要なことをすべてする」と述べた。
金永南委員長は特に、持続的に経済成長しながら政治的な安定を維持しているシンガポールの国家発展モデルに関心を表明したという。 また金委員長はシンガポールが北朝鮮の羅先地区(羅津・先鋒経済特区)と黄金坪(ファングムピョン)経済特区に積極的に投資すること、また北朝鮮経済閣僚に対する教育を要請し、タン大統領は両国間のより活発な経済交流を支援する意向を明らかにした。
金委員長は会談後、李光根(リ・グァングン)合営投資委員会委員長、安正秀(アン・ジョンス)軽工業相とともにシンガポール食品および電子製品工場を視察した。 李委員長は北朝鮮の外資誘致総責任者。
シンガポールに続いてインドネシアを訪問した金委員長は15日、ユドヨノ大統領に会い、「今後、民生関連の政策に重点を置く方針で、このためにインドネシアの食糧など生活必需品支援の拡大を期待する」と述べた。
金委員長はこの席でユドヨノ大統領の訪朝も要請し、ユドヨノ大統領は「できるだけ早い時期に北朝鮮を訪問し、両国間の経済協力を拡大する実質的な措置を取る」と述べた。
また北朝鮮は外交チャンネルを通じてマレーシアと経済協力を強化することに合意し、まずパーム油200トンの無償供給を受けることにした。
金英逸(キム・ヨンイル)労働党国際部長も来月、ラオスを訪問し、両国経済協力を議論する計画だと、現地外交消息筋が伝えた。 北朝鮮と東南アジアの貿易量は06年、北朝鮮貿易量全体の12%だったが、北朝鮮の核開発で国連安保理制裁が続き、昨年は2%以下に減少した。
北京の外交消息筋は「北朝鮮は金正恩体制が安定に向かっていることで、中国が注文した民生問題解決の脱出口を東南アジアで探しているようだ」とし「これは今後の経済開放のための探索戦である可能性がある」と分析した。
北朝鮮が東南アジアを通じて民生問題の解決に乗り出しているのは、中国に対する依存度を減らし、金正恩体制の早期定着のためのもので、核開発を放棄するものではないという分析も出ている。
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