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【社説】韓国総選挙後の経済課題、これだけは備えよ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
経済への悪材料があふれている。スペインの救済金融説、米国の雇用指標不振、中国の輸入鈍化など3大経済圏がすべて尋常でない。最も懸念されるのがスペインとイタリアの救済金融の可能性だ。もちろんこれは昨日今日の話ではない。だが隙さえあれば首をもたげてくるため世界経済は薄氷の上を歩いている。今回もスペインの経済と財政悪化が確認され両国の国債金利がともに上昇した。

まだ救済金融の可能性は高くない。だからと言って欧州経済の不安要因が消えるものでもない。危機から根本的に抜け出そうとするならスペインとイタリアの骨を削るような緊縮が先行すべきだが、そうした兆しはあまりない。欧州連合の構造的限界もある。欧州経済は最小限危機が潜伏した状態で長期間揺動するだろう。ややもすれば危機へと飛び火しかねない。欧州が悪ければ米国と中国が支えの役をするべきだが、これも期待するのは難しい。米国は雇用指標不振が、中国は輸入鈍化が経済の足を引っ張っている。

世界経済が不確実ならば対外依存度が高い韓国経済には大きな悪材料だ。こうした時ほど自らの危機対応能力を極大化すべきだが、これすら思うに任せない。総選挙後に政権末期のレームダックが加速化すれば政府の政策推進力が急速に落ちるためだ。だが、逆説的にこうした時であるほど政府の役割は非常に重要だ。重心をしっかりとつかみ先制的に対処すれば、たとえ経済危機が迫ってきても韓国経済は十分に耐え抜くことができる。いまはそうした力と能力を持っているためだ。


このような点から政府がしなければならない一番の課題は警戒心だ。危機が再演されるかも知れないという警戒心を持って金融と実体経済の流れを綿密にモニタリングし、リスク要因をあらかじめ除去するなど先制的経済政策を展開しなければならない。すぐに貯蓄銀行をはじめとする第2金融圏の不良を果敢にえぐり取る構造調整を急ぐよう頼む。このために必要な財源を調達する預金者保護法改正案の国会通過も急がなければならないだろう。

韓国経済の信管として登場した個人負債の問題はもちろん不良要因が大きくなっている海運・造船・建設業に対する構造調整も至急だ。必ず通過させなければならないにもかかわらず、与野党間の政争で処理されなかった法案もすぐに通過させなければならないだろう。 雇用創出と直結するサービス産業発展基本法、中小革新企業を効果的に支援するための資本市場法改正案、コンビニエンスストアで家庭常備薬を販売できるようにする薬事法改正案などは与野党が争う対象ではない。

政府はまた中途半端な景気浮揚に対する誘惑も振り切らなければならない。いまは危機管理に重点を置きこれまで行ってきた政策を締めくくる時であり、大統領選挙を控え景気を管理する時ではない。治績強調と政権再創出のために景気を浮揚する政権末の慣行を断絶しなければならない。

総選挙後に爆発するポピュリズムを効果的に遮断するのも政府の主要課題だ。国の債務が初めて400兆ウォンを超えたというのに無分別な支出浪費は防がなければならない。もちろん政府だけが熱心にやるからできるものではない。政界の役割も非常に重要だ。他のものはさておき危機管理には与野党の区別があってはならない。危機が起きて後悔するのは1997年の通貨危機だけで十分だ。



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