中国に抑留された脱北者の強制送還と関連し、韓国政府が中国に国際法上の義務を守るよう促した。非公開協議にとどまっていた脱北者の身柄処理問題を国際問題化することにより中国側の強制送還措置にブレーキをかける狙いだ。

外交通商部当局者は１９日、「脱北者問題は中国との２国間協議を通じた解決に主眼を置いたが、最近は２国間協議がしっかりと作動できずにいる。来月初めに韓中外相会談を行い難民条約と拷問防止条約に従い強制送還の禁止を中国に強く促す予定だ」と明らかにした。

韓国政府が中国の脱北者強制送還に対し公開的に立場を明らかにしたのは初めてだ。今月に入り中国で逮捕された脱北者は３０人余りに上るという。だが、彼らの強制送還を防ぐための秘密接触にこれと言った成果がないというのが韓国政府の判断だ。


難民条約第３３条は、「難民を生命や自由が脅威を受ける恐れがある地域から追放したり送還してはならない」と規定している。また、拷問防止条約第３条には「拷問を受ける危険があると信じられる相当な根拠がある国へ追放、送還または引き渡してはならない」と明示されている。中国も２つの条約の締約国だ。