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【噴水台】名節のソロたちよ、避けられないなら楽しめ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
20日は旧正月連休の初日で二十四節期で最後の大寒だ。「大寒が小寒の家に行き凍えて死ぬ」という昔話と違わず、今年も小寒(1月6日)の最低気温は氷点下5.6度、けさの予報はプラス1度だった。私が読んだ小説で最も「寒い」作品は米国のジャック・ロンドンの短編「火を熾す」だったと記憶している。真冬のアラスカ州の北極に近い地域で1人の男が犬1匹を連れて同僚がいるキャンプに向かい、途中で凍えて死ぬ過程を冷静で細かく描いた。この日の寒さは氷点下45~60度。手足が麻痺して痛みさえ消え、マッチをするのにずっと失敗し、ついに気持ちが安らかになりながら凍死に至る、本当に寒いあらすじだった。

しかし身を切るだけが寒さなのか。名節連休に行くところもない、または、自発的に移動をあきらめた名節ソロ族が感じる寒さも侮れない。病院や警察署・消防署・鉄道・バスで苦労される方々は職業上やむを得ず犠牲になるものなので例外としよう。特に行く所もなくて、結婚の督促が嫌いで、就職できない境遇と自分への不満で、金がなくてなど、帰郷できない理由は多様だ。一人暮しの老人だけでも100万人を超える世の中だ。家族解体の加速化、家族形態の多様化のため、いまは名節なら誰でも帰省するとは考えにくい。だから私だけ孤独だと自嘲するのではない。

避けられなければいっそ楽しみなさいと言った。やり方によって名節ソロが楽しむ方法はころがっている。どうせ機会ができたのだからついでに徹底して孤独を楽しむのも良い選択だと考える。私を含めほとんどの会社員はどのように生きてきたのか。学生時代には登校と下校、軍隊では起床と就寝、職場では出勤と退勤の繰り返しだ。そうするうちにある日豊富な時間が突然与えられると処理できない。関係網に閉じ込められて生きる人生にやみつきになり1人でいる状態が手にあまる。これが果たして正常だろうか。


孤独でいることも能力だ。人間のほとんどすべての不幸はまともに孤独を知らないところからくるという。オックスフォード英語辞典で「自己(self)」という単語が「連続的で多様な意識を持った永続的な主体」という現在の意味を帯びたのは1674年に達してからだった。孤独は個人と自意識の誕生にともなう偉大な代価であり貴重な贈り物であるわけだ。英国の精神医学者アンソニー・ストーは「1人でいる能力」が人にとても重要な資質だと力説する(アンソニー・ストー『孤独の上で』)。他人・外部世界に過度に伸ばした考えの触手をしばらく撤収させ、自分の内面世界を静かに振り返るのに孤独ほどの手段があるだろうか。「私だけなぜ孤独なのか!」と無駄にじたばたせず、この数日退屈に沈潜を楽しむことだ。

ノ・ジェヒョン論説委員・文化専門記者



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