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【文化ノート】鄭明勲氏の公演を見に来た日本人ファンが涙を流した理由は

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

9日、ソウル芸術の殿堂の出演者控え室で、鄭明勲(チョン・ミョンフン)芸術監督と会った日本人ファン(写真=ソウル市立交響楽団提供)。

9日、ソウル「芸術の殿堂」コンサートホール。 Cブロック17列に座った日本人のタムラ・ヨリコさん(57)が涙を拭いていた。 鄭明勲芸術監督の指揮でソウル私立交響楽団が演奏するグスタフ・マーラーの交響曲第9番第4楽章演奏が中盤に入る瞬間だった。 バイオリンの旋律にタムラさんは何度もハンカチを取り出した。

1時間30分ほど続いた演奏が終わり、記者が話しかけると、タムラさんは名刺を差し出した。 会社名ではなく「マエストロ鄭ファミリークラブ」という文字が入っていて、このクラブで副会長を務めていると自己紹介した。 隣には、きものを着たヨゴ・ヨウコさん(65)もいた。

ファンクラブ会員15人は演奏会の前日の8日、韓国に入国した。 ソウル市立交響楽団のマーラー交響曲を聴くためだ。 ヨゴさんは「日本に会員60人ほどいる。 広報をしていないので会員数は少ないが、(韓国まで来るほど)関心がある人たちが参加している」と説明した。


声楽を専攻したというタムラさんはこの日の公演について「素晴らしかった。 躍動感があった。 交響楽団の一体感を感じることができた」と話した。 タムラさんは1996年に鄭明勲芸術監督の指揮をテレビで見てファンになり、ソウル市立交響楽団の公演を見るために韓国に来たのは今回で3度目という。

10日に日本に帰ったタムラさんは韓国クラシックに対する助言も惜しまなかった。 「10年前にテレビで72時間にわたりソウル市立交響楽団を紹介する番組を見たが、その時に比べて非常にレベルが高くなった」と述べながらも、 「日本人向けの案内パンフレットがあればいい。 アーティストの参考になる情報があまりにも不足している」と遺憾を表した。

公演を終えた鄭監督は日本人ファンを舞台裏に招待した。 鄭監督は「どれほど会員がいるのか」「ソウルでの公演を見に来たことはあったのか」などと尋ね、ファン一人ひとりと握手をした後、写真を撮影した。 この日の出会いはソウル市立交響楽団が準備した小さな贈り物だった。 団体外国人観覧客がソウル市立交響楽団の公演を見に来たのは初めてという。 「クラシック韓流」といえば言い過ぎかもしれないが、外国のファンが韓国クラシックに注目しているという事実は確認された。

韓国芸術総合大学の洪承讃(ホン・スンチャン)教授は「海外から韓国の演奏者について尋ねられても答えられないことが多い。オーケストラとアーティストを客観的に紹介できるデータベースがあればいい」と提案した。 狭い内需市場を越えて韓国クラシックが韓流に合流できる前提条件だ。

カン・ギホン記者



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