ハンナラ党の洪準杓（ホン・ジュンピョ）代表が自己中心的な党刷新案を出し１日で辞任した。来年の総選挙候補公認と再創党を彼が主導するという発想が逆風を呼び、洪代表の寿命を操り上げることになった。彼が提示した方策は、「刷新ではない見せかけ」に映り、大多数の議員と党員は背を向けた。持ちこたえようとした彼が追われるように退陣するのを見守りながら、政治家が引き際を逃せばみじめになるという事実を新たに確認することになる。

洪代表が辞任することによってハンナラ党には変化の風が広がるものとみられる。党を存続させるものの大幅刷新して改革しようというリモデリング論、党の寿命が終わったので解体し新しい党を建設しようという再創党論、「パク・セイル新党」など保守勢力と合わせなければならないという保守大統合論など刷新アイデアがあふれている。朴槿恵（パク・クンヘ）元代表の役割と関連しても非常対策委員長として活動できるようにしなければならないとか、早期に選挙対策委員会を発足させ委員長職を任せなければならないとか、党憲の党代表・大統領選挙分離規定（大統領候補は大統領選挙日の１年６カ月前から党幹部を務めることはできない）を改正し、ハンナラ党であれ新党であれ党代表資格で総選挙も行えるようにしなければならないなどと意見が入り乱れている。

朴元代表の早期登板を要求する声は大きくなっているが朴元代表は立場を明らかにしないでいる。側近は「長考している」と話す。朴元代表は党のためにできることは全力を尽くすと考えているという。それがどういうものかわからないが、朴元代表の登場が派閥間の対立や権力闘争を触発するということではいけない。ハンナラ党が朴元代表を“リリーフ投手”として活用し、現在の危機を克服しようとするならば党が分裂しないことが重要だ。親李明博（イ・ミョンバク）系、親朴槿恵系、そして少壮派は互いに信頼する雰囲気から形成しなければならない。「親李系の一部が朴元代表登板論を主張するのは持ち上げて揺さぶるためのもの」とか、「朴元代表に過度に大きな権限を与えれば親李系が公認で不利益にあいかねない」などの疑いがきれいに消えるように派閥解体など党を和合させる措置が先に取られなければならない。


そうするためには朴元代表と李在五（イ・ジェオ）、鄭夢準（チョン・モンジュン）議員、金文洙（キム・ムンス）京畿道（キョンギド）知事ら党で大きな役割を持つ人がひとつに集まる必要がある。これまで互いに不信に思い牽制した党の実力者が額を突き合わせ国民の信頼を回復できる方策を求めた上でその内容を議員・党員の前に提示し意見を求める過程を経てこそ正しくなされた刷新ができるという話だ。万一、朴元代表が１人で深く考えた刷新構想を出し、それを親李系が批判することが発生するならばどうなるだろうか。朴元代表は登板するやいなや傷を負うことになり、ハンナラ党に対する不信はより一層大きくなるだろう。洪代表退陣後の手順がさらに重要なことをハンナラ党は肝に銘じなければならない。