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【社説】米中は経済領土の神経戦を乗り越えよ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ついに来るものがきた。自由貿易協定(FTA)時代を迎え経済領土をめぐる太平洋沿岸諸国の神経戦が火を噴いている。複雑な合従連衡と離合集散が始まる兆しだ。その中心にはすべての商品の関税を完全に撤廃しようという高い段階のFTAの環太平洋経済連携協定(TPP)がある。昨年のオバマ米大統領に続き先週には日本の野田佳彦首相がTPP交渉参加を宣言した。TPPが実現すれば世界経済の70%以上を占める巨大な自由貿易地帯となる。TPPが表面化しながら中国が「なぜわれわれはTPPに招かれないのか」と牽制に出た。東南アジア諸国連合(ASEAN)とのFTAをはじめ中華経済圏構築に力を注いできた中国としては日米がTPPで中国を包囲することにならないかとの危機感がにじみ出る。

FTA先発走者の韓国がTPPに参加しない理由はない。むしろ積極的に歓迎しなければならない立場だ。太平洋沿岸にFTAが根を下ろせばすべての参加国がその恩恵を享受できるためだ。中国がTPPに参加する意志があるならば米国と日本も中国を人為的に排除してはならないだろう。FTAは相互利益の均衡のためのテコであり強大国らの覇権確保の手段に変質してはならないためだ。ただし中国がTPPに招待されるには事前に「自由で公正な」ゲームのルールを受け入れる準備を終えなければならないだろう。特に知的財産権を保障し人為的な為替レート操作を中断する措置は必ず必要だ。

われわれは日米と中国が経済領土をめぐる神経戦を超えTPPを積極的に包容する大局的姿勢を見せてくれることを期待する。TPPが現実化されれば韓国もわずらわしい韓中、韓日FTA交渉を飛び越えることができる。太平洋沿岸にFTA規則が共通して適用されればあえて二国間協定を推進する理由は消える。いまや野党とFTA反対陣営もTPPをめぐる時代的潮流をしっかりと見守らなければならない。国内の一部集団の利害関係と政派的利益にしばられ太平洋に押し寄せるとうとうたる歴史的な流れを避ければ途方もない逆風が待っているだろう。

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