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【社説】それでも投票はしよう

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
再・補欠選挙日だ。今回の選挙はソウル市長のほか、全国11カ所の地方自治体の首長、11カ所の広域議員、19カ所の基礎議員を選ぶ。再・補欠選挙にもかかわらず、決して規模・比重は小さくない。さらに来年の総選挙と大統領選挙を控えた敏感な時点であるため、政治的波紋が少なくないとみられる。それだけに一票一票に重みがある。

理論上、民主主義国家の主権は国民にあるが、現実的に国民が主権を直接行使できる機会は投票のほかにはほとんどない。住民召喚や国民投票のような直接民主主義的な装置は事実上、行使がほとんど不可能だ。現代社会の民主主義はすべて代議民主主義だからだ。

これほど貴重な投票権だが、多くの有権者はその機会を放棄するケースが多い。特に今回のように選挙日が休日でない場合はそうだ。投票のわずらわしさは本人が体で感じるものだが、投票して得られる公益(public interest)は手にとって実感できるものではないからだ。数百万人が投票するのに自分一人がしなくても何も変わらないという消極的な考えも、こうした軽薄な利己心から生まれる。


棄権も政治的な意思表現と見なすことができる。これは非常に消極的な抵抗や不満の表示とみられる。しかし棄権は結果的に権利の放棄だ。選挙運動過程が混濁し、過熱するほど、政治に対する嫌悪感が深まり、棄権が増える。あるいは出馬した候補が少ない場合、適当な選択肢がないこともある。それでも投票をするのが民主市民の義務であり、民主主義の発展の道だ。それで選挙は「民主主義の花」という美しい修飾にもかかわらず、最善でなく‘次悪’(lesser evil)の選択と呼ばれる。

有権者として無責任な選択は、しないことよりも劣る。大切な機会であるだけに正確に行使しなければならない。方法は簡単だ。まずは候補の公約をしっかりとチェックしよう。家に届いた選挙公報を見たり、選挙管理委員会のホームページを参考にすればいい。特に今回のソウル市長選挙の場合、無償給食という政策に対する論争で始まった。今回の投票結果はソウル市政の方向だけでなく、その後の総選挙と大統領選挙の過程で各政党の政策方向を左右する重要な契機になるだろう。

2つ目は、候補のモラルと能力だ。ソウル市長候補の場合、資質と経歴に関するほとんどすべての疑問が提起された。その間の討論を落ち着いて振り返り、資質の軽重を比べなければならない。乱舞したスローガンと扇動に振り回されてはいけない。

民主主義は欠陥が多い政治制度だ。しかしチャーチルの言葉のように、今まで試みられた他のどの政治制度よりもましなのは事実だ。気に入らなくても投票はしなければいけない。与えられた機会に正確な一票を行使し、本人が支持するかどうかに関係なく、多数が指示した候補を心から受け入れなければならない。投票結果も主権者の共同責任であるからだ。



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