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【社説】菅首相と呉世勲市長の辞任

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
日本の菅直人首相が26日に辞任の意向を表明した。就任14カ月目に退く菅首相の後任は29日に行われる民主党代表選挙戦で決定される。これで日本は2005年から5年連続で毎年1回首相が変わる記録を残すことになった。首相交替が恒例行事化する間に日本の国格は急転直下した。国際格付け会社のムーディーズが先週日本の格付けを一段階引き下げたのが端的な例だ。ムーディーズは首相が頻繁に変わり一貫した政策実行が難しくなったことを格付け引き下げ理由のひとつに挙げた。

菅首相が10%台の低い水準の支持率に苦しめられ辞任にまで至ることになった原因を挙げるなら、リーダーシップの不在が一番目だ。菅首相は福島原子力発電所事故の収拾過程であたふたする姿を見せ日本国民の不安を加重させた。与野党間、党内派閥間の政争による政策不在は短命のまた別の原因だ。参議院を野党が支配し与野党協力なしでは何ひとつまともに推進するのも難しい状況だが、与野党協力どころか与党内ですら意見統一がなされなかった。財政健全化と災害復旧費用調達のために台頭した増税論争に対してまだ結論を下すことができないのがその一例だ。財源圧迫に勝てず民主党は子ども手当て拡大と高速道路通行料無料化などの政権公約を自ら取り下げなければならなかった。

菅首相が辞任の意向を明らかにした日、ソウル市の呉世勲(オ・セフン)市長も辞任記者会見を行った。2人の辞任は全く性格が異なる。だが、念入りに比較して確かめなければならない部分も少なくない。呉市長の辞任で韓国社会は早くも選挙モードに入っている。10月26日のソウル市長補欠選挙と来年4月の総選挙、来年末の大統領選挙が半年余りの間に続く。いくら選挙が民主主義の花であっても1度でも大変な選挙を3回も連続して行うのは国全体に大きな負担となる。当面の国家的アジェンダが関心事の圏外に押し出される様相が現れている。韓米自由貿易協定(FTA)批准や国防改革案など、国の将来がかかった懸案がそうだ。その隙間に入ってくるのは目の前の票を意識したばらまき人気政策だ。各種事案をめぐり与野党が激しく対立するのはもちろん、与党の中でも大統領選候補らの利害関係により見解が交錯する現象が現れるだろう。これを調整しなければならない大統領の権威と力は大統領選挙が近づくほど弱くなるはずだ。菅首相を引きずり下ろしたすべての問題点がわれわれにも現れる可能性があるということだ。


中央SUNDAYは社説を通じ、「ソウル市の住民投票以後がさらに心配だ」と指摘したことがある。残念ながら懸念が現実に登場している。与野党の政治家らに日本のケースを、対岸の火を見るようにするのではなく、注意深く繰り返し見るよう勧告する理由だ。



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