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【社説】老人扶養の社会的負担を増やすべき

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
保健福祉部が子息の扶養能力を判定する基準を引き上げるという。現在は4人家族基準で子息の所得が月間256万ウォン(約19万円)以上だと親が最低生計費以下の生活をしても国家は補助してくれない。子息が全面的に扶養に責任を負わなければならない。この基準を月364万(約27万円)ウォンに引き上げるというのだ。こうなれば子息のために保護を受けられなかった6万1000人の老人が生計費や医療費支援を受けられるようになる。

時すでに遅しではあるが歓迎するに値する。実は月間収入256万ウォンは子息だけの家庭でもぎりぎりのラインだ。子どもを塾に行かせ、食費や衣料に使うと手元にはほとんど残らない。親の扶養が先だと言われれば返す言葉もないが、現実はそれほど余裕がない。基礎受給者の子息のほとんどは生活にゆとりがない人々だ。そこへ子息がひと月257万ウォンの収入があるからと、子息に扶養を全面的に任せると、ややもすると子息も貧困の奈落に落ちてしまいかねない。

貧困が世襲されてしまう可能性があるという意味だ。


これまでこのような厳格な規定のために103万人の老人たちが国家の保護を受けられなかった。ここ何年間、扶養義務基準を緩和しなければならないという主張が根気強く提起されてきたが、予算不足を理由に無償福祉の論争にさえぎられて無視されてきた。

最近、政府が社会福祉統合管理網を活用して扶養義務者240万世帯の所得・財産を詳細に洗い出した。すると4万人が基礎受給者リストから脱落する状況に置かれた。脱落の連絡を受けた2人の老人が自ら命を絶った。子息に負担を与えないためだ。脱落予定者がその連絡を受ける9月まで、最大限配慮する知恵が必要だ。

それでも金持ちの子息がいながら政府の補助金を受け取る詐欺行為受給者は厳しく選り分けなければならない。京畿道(キョンギド)の女性教師とその夫は勤労・利息・賃貸料所得で月間4085万ウォン(約305万円)の収入があり、財産が117億ウォン(約8億7000万円)もあったにもかかわらず、親が基礎受給者保護を受けていて摘発された。校長を婿にもつ女性や月間収入3000万ウォン(約224万円)の証券会社役員を息子にもつ親も摘発された。その間の支援金は徹底的に還収しなければならない。

今回の措置には予算が2150億ウォン(約160億円、地方費別途)ほどしか充てられていない。民主党の無償医療、無償休職、無償保育、ハンナラ党と民主党の半額授業料には数十億ウォンが必要だ。この際、厳格すぎる財産基準も一緒に緩和して極貧層の老人たちをもっと救済すべきだ。中小都市は1億2836万ウォン(約960万円)、大都市は1億5286万ウォン(11140万円)以上の財産があると親は保護を受けることができない。財産を収入に換算する比率も半分以下に抑える必要がある。子息の扶養費用を算出する比率(男性は収入の30%、女性は15%)も高すぎる。この基準を引き下げるときに障害となるのは、生計費と医療費を両方受けるか、両方とも受けとれなくなる“セット給与体系”だ。この2つを分離して生計費だけを支給すれば、財政投入を最小化することができる。米国や英国、スウェーデンなどの先進国は、子息の扶養能力を考えない。われわれがこれら先進国と同じようにはできないが、必要不可欠な福祉や急がれる福祉にはけちになるべきではない。



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