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【社説】教科書、偏りのない現代史記述を

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国史必修科目化に劣らず重要なのが「良い国史教科書」を作る作業だ。 子どもたちに自由民主主義理念に基づいた誇らしい大韓民国史を教えることだ。 しかし現高校韓国史教科書の現代史記述はさまざまな側面で不足した部分が多い。 不適切な記述や偏った記述が少なくない。 政府と学界が衆知を集めて正さなければならない。 最初のボタンは現在進行中の韓国史教育課程改正作業だ。 国史編纂委・歴史教育課程開発推進委が使命感を持って取り組まなければならない重要な時期だ。

昨日、韓国現代史学会の主催で開催された「高校韓国史教科書現代史叙述の問題点と新しい叙述方向」セミナーでも多くの指摘があった。 6冊の教科書のうち2冊は「独裁」という表現を大韓民国政府に対しては21回も使用しながらも、北朝鮮政権に対してはわずか5回だった。 韓国戦争(1950-53)を説明しながら「左翼嫌疑者に対する大量虐殺は人民軍治下の報復を招いた」とし、あたかも大韓民国の加害行為が先にあり、北朝鮮・左翼の加害行為は単なる報復であったかのように歪曲した。 6冊のうち5冊は、問題のない「世襲」という用語ではなく、「権力継承」「後継構築」と表現した。 こうした教科書で習った学生が大韓民国と北朝鮮の歴史と実像を正しく理解できるだろうか。

全国経済人連合会(全経連)が朴孝鍾(パク・ヒョジョン)教授らに韓国史教科書の分析を依頼した結果も似ている。 事実を歪曲して真実に目を背けた部分は1、2カ所ではなかった。 例えば北朝鮮の土地改革は「無償没収、無償分配」、韓国は「有償買収、有償分配」だったと対比させ、北朝鮮のほうがよかったという印象を与えた。 北朝鮮が集団農場を作って土地をまた没収した事実を無視したのだ。 韓国の経済発展過程も財閥中心企業文化、政経癒着など否定的に説明し、海外市場の開拓、民族資本の形成、雇用・所得創出など躍動的・肯定的な側面には目をつぶっている。 世界貿易機関(WTO)閣僚会議の現場で農民運動家が自殺した事件を浮き彫りにした内容を見ると、本当に青少年に対する教育効果を考えて作った教科書なのかと疑問を抱く。


各教科書の記述はすべて教育課程に基づくようになっている。したがって教育課程からして自虐・自己卑下史観が入り込む余地を残してはならない。 私たちの教育課程は07年、09年に続いて今また改正中だ。 正常な姿でないが、正すべきことは正さなければならない。 韓国現代史の主体は誰なのか、経済発展の成果を低評価する態度が穏当なのか、大韓民国と北朝鮮を同等に並列する姿勢は正しいのかなど、この機会によく考える必要がある。 ちょうど今日、国史編纂委員会の主催で「2011歴史教育課程改正案公聴会」が開かれる。 良い教科書を作る出発点に該当する行事だ。 子どもたちに偏りのない歴史を教えることに、学界・市民社会も積極的に参加することを望む。



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