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日本の福島原発電事故を契機に原子力発電所代替発電の手段として挙げられている核融合発電が注目されている。
核融合発電は核分裂方式の原子力発電所と違い、放射性物質の代わりに海水から得た重水素とリチウムから出る三重水素を燃料に使う。放射能流出の懸念がなく、温室効果ガスもほとんど発生しないグリーンエネルギーだ。国内では大徳(テドク)研究団地内の国家核融合研究所が唯一試験用核融合炉の「KSTAR」を保有している。「KSTAR」は1日から試験稼動に入った。稼動直前の3月31日に国家核融合研究所を訪ね最終点検を受けている「KSTAR」を視察した。核融合装置の中では研究員らが機械部品を設置している。核融合発電は太陽で水素が融合反応を起こしてヘリウムになりエネルギーを絶えず放出する原理を利用する。このため“人工太陽”とも呼ばれる。
地球上で太陽のように核融合を起こすには宇宙のように超高真空状態で超高温のプラズマ(陰電荷を持った電子と陽電荷を帯びたイオンに分離した気体状態)を作らなければならない。このため核融合装置の中に重水素と三重水素を注入しプラズマ状態で加熱する。温度が上がれば核融合反応が起き中性子が飛び出してくる。この中性子の運動エネルギーが水を暖める熱エネルギーに変換され発電タービンを回すことになる。
現在、国際的にも韓国をはじめ欧州連合(EU)、米国、日本など7カ国が共同で国際核融合実験炉(ITER)をフランスに建設している。2016年完工予定のこの実験炉は建設費だけ7兆7000億ウォン(約6000億円)程度が投入される。国家核融合研究所のナ・フンギュン博士は、「韓国は分担金を現金で出資せず、KSTARの実験で立証した超伝導磁石などの技術を提供し現地に派遣された研究技術陣の人件費に代替する」と説明した。ナ博士は、「このプロジェクトの目標は、熱出力50万キロワット程度の電力を生産し2030~2050年ごろ原子力発電を代える商用核融合発電所を建設すること」と話した。
写真=国家核融合研究所提供
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