指導者の悪行と誤った判断が結局、武力介入を招いた。リビアに対する国際社会の軍事介入を承認した国連安保理決議1973号に基づき、昨日未明、米国・英国・フランス・イタリア・カナダなどが参加した連合軍が「オデッセイの夜明け(Odyssey Dawn)」作戦に入った。ムアマル・カダフィの自業自得だ。安保理決議を無視して反政府市民軍に対する攻撃を継続したことで、カダフィは連合軍が介入する最後の口実を提供した。
この状況でカダフィができる唯一の選択は武力使用を直ちに中断して権力の座から退くことだ。粘れば粘るほど罪のない国民の犠牲が増える。しかし残念ながらカダフィは外部の攻撃に対抗し、独裁者が使用する最も卑劣な手法である「人間の盾」で決死抗戦を主張している。連合軍のミサイル攻撃と空襲が予想される軍事施設周辺にすでに子どもと女性を配置したという。いかなる理由であっても正当化されない蛮行だ。
カダフィは民主化を要求する国民の声を無視した。傭兵を前面に出し、戦闘機まで動員し、自国民のデモ隊を虐殺した。デモ隊が市民軍を組織して武力で対抗しながら、ついにリビアは内戦状態に入った。戦力の絶対的劣勢で市民軍の最後の拠点であるベンガジの陥落が迫ると、国際社会がついに武力介入に乗り出した。国際社会は自国民を無差別虐殺し、人間の盾まで使用するカダフィの反倫理的犯罪行為に対し、最後まで責任を問わなければならない。
リビア事態で「アラブの春」も新しい局面を迎えた。チュニジアとエジプトの市民革命後、北アフリカと中東の各国で民主化を要求するデモが野火のように広がったが、目立った成果は出ていない。国際社会の耳目がリビアに向く間に、イエメンとバーレーンはデモ隊に対する大々的な流血鎮圧に乗り出した。バーレーンは同じスンニー派政権のサウジアラビアから軍隊まで受け入れた。このためイスラム圏でスンニー派とシーア派の間の分派紛争の可能性まで台頭している。イエメン政府とバーレーン政府はデモ隊弾圧を中断し、彼らの要求に耳を傾けなければならない。第2、第3のリビア事態が起きないという保証はない。
連合軍の武力介入が長期化する場合、アフリカとアラブ圏で米国など西側に対する反感が芽生える可能性がある。一部の国はすでに反対の立場を表明している。米国としては米同時多発テロ後、イスラム圏に対する3度目の武力介入となる。オバマ大統領が地上軍派遣の可能性にあらかじめ一線を画して制約的介入を強調しているのは、こうした負担感のためだろう。そうだとしても今回の武力介入は正当であり、避けられない選択だ。
民間人を保護するために始まった戦争が罪のない民間人の犠牲につながれるのは戦争の逆説だ。連合軍は効果的かつ迅速な軍事作戦で民間人の被害を最小限に抑える必要がある。速戦即決が重要だ。
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