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【社説】戦争を記憶してこそ戦争を避けられる

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国戦争(1950-53)は「忘れられた戦争(The Forgotten War)」と呼ばれてきた。2つの面で正しい。まず、戦争の惨状自体が正しく伝えられていない。二つ目は、一般人の関心度が低かったという点だ。一言で、韓国戦争という戦争の歴史的意味と、その重要性に対する認識が不足していたからだ。

韓国戦争は国際的に第2次世界大戦後の冷戦の始まりを知らせた熱戦であったし、国内的には民族史の最大の悲劇であり、韓国社会の現代化の実質的な出発点だった。韓国戦争はそれだけ重要な歴史であり、忘れられてはならない戦争だ。中央日報が白善ヨプ(ベク・ソンヨプ)将軍の「残したい話-私が体験した韓国戦争と大韓民国」というシリーズを14カ月間にわたり75万字分を連載してきた理由だ。92歳の老兵、白善ヨプ将軍が記憶をたどりながら苦労して資料を集めたのも同じ趣旨だ。

連載を通して「忘れられた戦争」は「また記憶された戦争」になった。白将軍の生き生きとした記憶は戦争の惨禍が残した歴史的教訓を再確認させた。何よりも戦争の本当の姿を知らせた。北朝鮮軍の奇襲南侵と中国共産軍の秘密参戦に虚をつかれた国軍の慌てた姿は恥ずかしいが、骨身に深く刻んで、二度と繰り返してはならない自画像だ。白将軍が直接会った第2次大戦の英雄マッカーサーやヴァン・フリートら米軍指揮官が見せた真の軍人の姿。戦勢を一気に覆す圧倒的火力と先進戦略戦術は今日も変わらない米軍と米国の力だ。白将軍の言葉のように、米軍は植民地から抜け出したばかりの大韓民国に降り注いだ「文明の夕立ち」だった。


戦争を前後した時代の証言も現代史の理解に欠かせない部分だった。特に李承晩(イ・スンマン)・朴正煕(パク・ジョンヒ)元大統領関連の証言はあまりにも生々しく具体的だったため、その間の歪曲された人物評を正す重要参考資料としなければならない。李承晩大統領の老練な対米国対応は「親米主義者」という評価がどれほど一方的だったかを確認させた。朴正煕(パク・ジョンヒ)少佐が南朝鮮労働党軍事責として捕まり死刑にされる瞬間、彼を助けた当事者の白将軍の証言は、絶体絶命の瞬間に表れる人間性を考えさせる緊張した場面だった。

今回の連載を通して確認されたのは歴史的な事実だけではない。多くの読者が、忘れられた戦争を知りたいという欲望を持っていたことが確認された。連載を繰り返すほど読者の反応は熱くなった。白将軍を訪れる人が列をなし、講演を要請する読者が国内外で増えた。回顧録『私を撃て』 1巻に続く2巻、3巻出版の問い合わせが相次いでいる。ほとんどが「韓国戦争を深く理解できた」という感謝の気持ち、「もっと知りたい」という声だった。

白将軍は昨年、連載をまとめて出版した回顧録の序文で「戦争の残酷性を記憶する者はその戦争を避けられる。常にそれに備えるからだ」と書いた。戦争は終わっていない。韓国戦争は終戦ではなく今でも休戦状態だ。北朝鮮は今日も核兵器を開発しながら韓国社会に脅威を与えている。白将軍の「残したい話」連載は私たちの今日を振り返らせてくれる。



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