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コレイル(韓国鉄道公社)は23日、事故発生からしばらく経っても正確な事故原因を確認できなかった。キム・フンソン報道官は「整備不良や車両の深刻な欠陥ではない」とし「正確な事故原因はムンサン車両基地で調査中」と述べた。
しかし鉄道専門家は列車が電気の供給を受けるパンタグラフ(集電装置)の欠陥の可能性を指摘した。鉄道技術研究院のある研究員は「列車の上の電線でジリジリという音がし、客車のすべての電気が突然消えた点からみて、パンタグラフの欠陥の可能性が高い」と述べた。
乗客を乗せたコレイル列車の事故は今月に入って3度目。11日には光明(クァンミョン)駅からKTXが開通7年目で初めての脱線事故が発生した。また21日には京仁(キョンイン)線仁川(インチョン)行き列車が鍾路(チョンノ)3街駅から鍾閣(チョンガク)駅まで、出入り口一つを開いたまま運行した。この区間は人が多く混雑した区間であるため、乗客が列車から落ちる状況も考えられえる危険な事故だった。
ソウル駅の事故列車に搭乗したある乗客は「1カ月間ずっと事故が続いている。コレイルのネジが緩んでいるようだ」と話した。
コレイル内部では、車両や施設に対する安全点検周期を延長したのが相次ぐ事故を呼んでいる、という指摘が出ている。匿名を求めたコレイルのある関係者は「KTXなど列車が老朽化するほど検査の回数を増やすべきだが、コレイルはこれに逆行している」と話した。
コレイルは昨年8月から電気や信号、車両の安全状態を点検する検査回数を減らしている。今回の事故の原因と考えられるパンタグラフなど電気分野の検査は、2週に1回から月に一回に減った。
コレイル労組は「人員削減後、施設の整備や維持補修がきちんと行われていないため」とし「許准栄(ホ・ジュンヨン)社長の就任後、維持補修体制が変更され、その後遺症が大きい」と主張した。
コレイルは許社長の就任後、定員1万5000人余りのうち5100人を削減した。特に人員削減対象の60%が電気や信号・線路を維持補修する現場担当者だった。コレイルは人員削減後、施設維持補修を外注または委託管理しているが、徹底した管理監督が行われていないということだ。
鉄道技術研究院のある研究員は「コレイルの最近の事故は信号体系、運転、電気など原因がさまざま。コレイルが総体的な安全不感症になっているようだ」と懸念を表した。
◇パンタグラフ=列車は動力の形態によって蒸気・ディーゼル・電気車に分けられる。パンタグラフとは、電気で動くKTXや地下鉄のような電車が線路の上に設置された2万5000ボルトの電力線と接触しながら電気の供給を受ける装置だ。
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