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ノーベル賞に最も近い韓国人 「賞のことは考えない」(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
キム氏は米国生まれで、韓国語を自由に話せない。にもかかわらず、米国人妻と間に生まれた3人の兄弟には韓国名(ボムシン、ボムソク、ボムス)を付け、祖国への愛情を表した。

韓国では理工系の博士や専門家が子どもの理系選択を敬遠するという話について、キム氏は「長男は大学で化学を専攻し、子どもはみんな科学に興味を感じているほうだ」とし「科学者の道を歩むなら、引き止める考えはない」と笑いながら語った。

難しい新薬開発過程については「それでも新薬の開発に投資してこそ成長を担保できる。その代わり研究開発の生産性を高めるのに力を注ぐ」と強調した。一例として、メルクの子宮頸がんワクチン「ガーダシル」を取り上げた。世界で年間50万人が子宮頸がんの診断を受け、うち半分が活発に活動する年齢で死亡している状況で、06年に登場したガーダシルは70%の予防率を見せている。キム氏は「高齢化社会に入る過程で老人性疾病の治療剤とワクチン開発は多くの人の健康を守れるだろう」と話した。


キム氏は新薬の開発にもスマートブームが起きていると語った。最近メルクが買収した「スマートセル」という会社が生産する「スマートインシュリン」を例に挙げた。従来のインシュリンを体内に注射する場合、基準値以下に血糖を落とし、ショックを起こす場合があったが、スマートセルのインシュリンは基準値以上の血糖だけで作用するため、ショックを起こす可能性が少ないということだ。

◇ピーター・キム氏=1998年に湖巌(ホアム)賞科学賞を受賞。当時の賞金1億ウォンは母の母校であるソウル大に奨学金として寄付した。01年にメルクに合流し、03年からメルクの新薬とワクチンのR&Dを総括している。現在の肩書はメルク首席副社長兼研究所社長で、社内「ナンバー3」の核心人物。



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