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現代(ヒョンデ)のアバンテとトヨタのカローラは北米で同じターゲット層を狙うライバルだ。宿命のライバルが国内でもぶつかることになった。
これまでアバンテはカローラと勝負をするには無理があった。ブランド認知度、性能、品質など、すべての面で比較にならなかった。しかし新型アバンテが登場し、各種数値比較でカローラを上回っている。ソナタのカムリ逆転劇が再現されたのだ。
今回のアバンテのデザインに溶け込んだ概念は自信だ。鉄板を果敢に曲げた。何よりもライバルをベンチマーキングした痕跡がない。行き過ぎた感じもなくはない。大きく倒れたフロントガラスや技巧を乱発したインテリアはスポーツクーペとも言えるほどだ。半面、カローラはシャープでありながらも、保守的な雰囲気が濃厚だ。今でもよく売れているのに、下手な冒険はしないという慎重さが感じられる。
カローラの排気量は1.8L。アバンテの1.6Lを上回る。ところが出力では逆転する。アバンテが140馬力で、132馬力のカローラを上回る。その秘訣は直噴(GDI)システムだ。アバンテは燃料を空気とあらかじめ混ぜるのではなく、シリンダーに直接噴射する。高圧で噴射し、爆発の質がよい。冷たい燃料がシリンダーも冷ます。このため効率がよい。それだけ出力と燃費に有利だ。
変速機もカローラは自動4段であるのに対し、アバンテは自動6段で一枚上だ。ギア段数を細かく分けるほど、滑らかな変速と高速走行の燃費に役立つ。エアバッグはともに6個ずつ付いている。それぞれのタイヤに個別に制約を加える車体姿勢制御装置、タイヤ空気圧警告装置も備えている。各種装備と技術で表れる安全性は優劣をつけにくい。
アバンテは覇気あふれる挑戦者だ。後発走者らしくライバルを徹底的に分析し、少しでもリードしようとする。一方、カローラは老練なチャンピオンだ。米国市場で同級ベストセラーにふさわしく完成度で勝負する。アバンテのためだけではないが、トヨタは米国で2011年型カローラを出しながら、40年余りの伝統を何度も強調した。
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