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25日に行われた日本とのアジアカップ準決勝で、奇誠庸(キ・ソンヨン)が見せたパフォーマンスは長い余韻を残した。奇誠庸は前半23分、PKを決めた後、中継カメラに走って行き、上唇を出しながら左手で顔をかいた。奇誠庸の行為が何を意味しているのかについて、サッカーファンの間で論議を呼んだ。ネットユーザーの多くはオンライン空間で日本人を表す時、「猿」という隠語を使う。多くのサッカーファンが「人種差別」だと批判した。
奇誠庸は試合後、ツイッターに「観客席にある旭日旗を見る私の胸は涙が出た」と書いた。旭日旗は帝国主義日本の軍隊が使った旗だ。奇誠庸はツイッターを通して、パフォーマンスの意味を説明したようだ。旭日旗を掲げた日本応援団を非難しながら、奇誠庸の肩を持つサッカーファンもいた。しかし非難するファンのほうが多かった。また奇誠庸は「選手である前に大韓民国の国民」というコメントを載せた。
日本メディアは奇誠庸を批判した。サンケイスポーツは27日、「国際サッカー連盟(FIFA)がこれを人種差別行為と見なす場合、処分が避けられないだろう」と主張した。FIFAには06年10月30日に確定した人種差別関連の懲戒規定(55条)がある。FIFAが主管する大会で選手やチームスタッフ、観客が特定チームまたは選手に対して人種差別的な言動をした場合、該当チームの勝ち点を3点減点し、2度目の摘発では勝ち点6点を差し引く。3度目には大会出場を禁止する。処罰を受けたチームが属する協会は2年間制裁を受ける。FIFAが処罰規定を設定した理由は、人種差別がスポーツマンシップに背くだけでなく、国際的に許されない行為であるからだ。
奇誠庸も昨年10月、スコットランドリーグのセントジョンストン戦で相手サポーターから侮辱を受けた。相手サポーターは「ウー、ウー」という猿の鳴き声で東洋人の奇誠庸を侮辱した。奇誠庸の同僚チャ・ドゥリが先にこれを知り、ツイッターで悔しさを表した。またこのコメントで内容を知った国内ファンも怒った。奇誠庸もスコットランドでは人種侮辱の被害者だったのだ。
サッカーは人間の本能を刺激するスポーツといわれる。国家対抗戦は民族意識をあおる。奇誠庸のゴール後のパフォーマンスは熱い若手選手が過度に喜びを表現した例ともいえる。こうした点で日本コラムニスト宇都宮徹壱氏が「スポーツナビ」に載せた「日韓戦後日談」というコラムは注目は値する。「奇誠庸は才能豊かなプレーヤーであり、間違いなく韓国代表の次代を担う逸材だ。今後もし、日本戦に出場してゴールを決めることがあったら、クールなガッツポーズできれいにまとめてほしい。日本のサポーターには、そちらのほうがよっぽど悔しいのだから」。
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