韓国鉱物資源公社で北朝鮮鉱物資源開発事業を担当する南北資源チームは、ユン・ホンギ・チーム長(54)と職員2人だけだ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権当時は10人余りいた。しかし李明博(イ・ミョンバク)政権に入ってからは南北関係の悪化で鉱物資源開発事業も凍結し、昨年の天安(チョンアン)艦事件以降はかろうじて維持されていた試験事業までも中断した。
現在、南北が共同でしている唯一の鉱山は黄海道(ホァンヘド)の黒鉛鉱山だけだ。盧武鉉政権当時の03年に合弁事業として契約し、07年に商業生産を始めた。鉱物資源公社は南北協力基金60億ウォン(約4億7000万円)を含む665万ドルを現物投資し、今後15年間に鉱山で生産される黒鉛を元利金として受けることにしていた。これまで韓国が受けた黒鉛は07年の2回と昨年1月の一回だけ。天安艦事件後、この鉱山で生産される黒鉛も受けられずにいる。
黒鉛事業以外にも、前政権末期の07年、北朝鮮の軽工業を支援し、その代価を地下資源で受ける事業が推進された。韓国はこのため8000万ドルを北朝鮮に支援し、一部の亜鉛塊を受けた。北朝鮮が誇る亜鉛・マグネサイトなど鉱物資源の要衝地である咸鏡南道端川(ハムギョンナムド・ダンチョン)で、南北共同調査まで行った。しかしこの事業も中断した。
北朝鮮の鉱物資源埋蔵量は潜在価値が7000兆ウォン(約520兆円)にのぼるという。昨年12月に発表された統計庁の北朝鮮主要統計指標によると、08年基準で北朝鮮の鉱物埋蔵量の潜在価値は6983兆5936億ウォンで、韓国(289兆1349億ウォン)の24.1倍だった。
もちろん鉱物埋蔵量は金額で表しにくい点がある。特に北朝鮮の埋蔵量は潜在埋蔵量であり、経済性を考慮していない。実際に商品化されるとしても長期間にかけて生産されるため、正確に計算するには現在の価値から割り引く必要があるが、統計庁の数値はこうした作業をしていない。
北朝鮮に鉱物資源が多いといっても開発は容易でない。鉱物資源公社は黒鉛鉱山に投資した際、北朝鮮の反対でボーリング作業もできなかった。鉱物資源公社のアン・ジョンリョン広報チーム長は「北朝鮮は『全国土の要塞化』という言葉があるほど軍事施設が多く、南側はサンプリングのためのボーリング作業もできなかった」と述べた。作業のための電気事情も良くなかった。
ユン・ホンギ・チーム長は「南北関係がふさがって北朝鮮が頼るところを失い、鉱物資源を中国に安値で譲り渡すという懸念が強まっている。後に南北関係が良くなれば、中国に渡った開発権を韓国が高値で買い戻すことになるかもしれない」と話した。
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もちろん鉱物埋蔵量は金額で表しにくい点がある。特に北朝鮮の埋蔵量は潜在埋蔵量であり、経済性を考慮していない。実際に商品化されるとしても長期間にかけて生産されるため、正確に計算するには現在の価値から割り引く必要があるが、統計庁の数値はこうした作業をしていない。
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ユン・ホンギ・チーム長は「南北関係がふさがって北朝鮮が頼るところを失い、鉱物資源を中国に安値で譲り渡すという懸念が強まっている。後に南北関係が良くなれば、中国に渡った開発権を韓国が高値で買い戻すことになるかもしれない」と話した。
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