中国の戴秉国国務委員(副首相級)が28日、李明博(イ・ミョンバク)大統領との会談で6カ国協議の再開を提案したが、李大統領はこれを一蹴したと、青瓦台(チョンワデ、大統領府)が明らかにした。
洪相杓(ホン・サンピョ)青瓦台広報首席は「戴秉国国務委員が6カ国協議の再開に言及したが、李大統領は『今は議論する時期ではない』という立場を明確に表した」と伝えた。中国の対外政策を総括する戴国務委員は27日午後、胡錦濤国家主席の特使として訪韓した。
戴国務委員に随行した後、北京に戻った武大偉6カ国協議首席代表は緊急記者会見で、「12月上旬に北京で6カ国協議団長(首席代表)緊急交渉をしよう」と公式提案した。
戴国務委員の訪韓は6カ国協議の再開を要請するためのものとみられるが、李大統領は天安(チョンアン)艦事件に対する北朝鮮の謝罪がない状況で6カ国協議は開催できないという政府の立場を堅持した。
李大統領は会談で、中国政府に「南北関係において、より公正かつ責任ある姿勢で平和に寄与してほしい」と求めた。また「北朝鮮が高濃縮ウランプログラムを公開したのに続き(延坪島の)民間人まで攻撃したのは重大な事態の変化」と指摘し、「韓国政府は韓国戦争(1950-53)以降、北朝鮮の繰り返される挑発に我慢してきたが、北朝鮮が追加で挑発してくれば強力に対応する」と述べた。
李大統領は「天安事件当時、中国の対応には失望感を感じる点があった。今回は当時とは違い、中国がはっきりと役割を果たさなければならない。北朝鮮の誤った行動に対しては是正を強力に要求する必要がある」という趣旨の発言もしたと、政府関係者は明らかにした。
戴国務委員は「南北(韓国・北朝鮮)の平和のため状況が悪化しないよう努力し、韓半島の平和のために韓国との戦略的疎通と協力を強化する」と述べた。
会談と関連し、青瓦台の関係者は「中国が突然6カ国協議の再開を要請した点からみて、『南北双方が自制すべき』という中国の立場は変わっていない」と評価した。
一方、李大統領は29日午前10時、「延坪島砲撃の挑発に関する対国民談話」を発表する。李大統領が軍の初期対応問題について遺憾と謝罪の意向を明らかにする可能性があると、ある関係者は伝えた。
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