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【社説】対話するには3代世襲を黙認すべき?

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の三男の金正恩(キム・ジョンウン)が10日の朝鮮労働党創建記念日を契機に公開的な活動に乗り出した。いまや金正恩の権力3代世襲は既定事実になってしまった。権力世襲が社会主義理論でも説明できない封建王朝国家の古い弊習であることはこれ以上説明の必要はない。全世界が嘲弄している「世襲ごっこ」に対し、大韓民国の一部公党と社会団体は沈黙、または庇護で一貫しているのにはあきれて言葉を失ってしまう。

民主労働党の李正姫(イ・ジョンヒ)代表はある新聞の批判に対し、「北朝鮮と対話をするためには口を閉ざすべき」「北朝鮮の内部問題を批判すれば平和が破れる」という要旨の反論を出した。李代表の反論を読めばこれが進歩路線を掲げる公党の代表の言葉かと疑いたくなる。事実、民主労働党の「従北路線」は進歩新党が分かれて公論化されたものだ。それでもこれまでは解放直後の複雑だった現代史に対する誤解に始まったものと理解することもできた。しかしこれが北朝鮮の3代世襲にまで沈黙し、事実上黙認する段階に至ってはそのアイデンティティに対する本質的な質問を投げかけずにはいられない。

血統による権力世襲は封建王朝時代に可能なことだ。中国共産党機関誌の人民日報も1980年9月に論説を通じて痛烈に批判していた。「首領は人民が選択するものであり、首領論は封建社会でこそあり得る論理」「個人崇拝・神格化は一種の迷信で、人民を下に見る行いであり、反マルクス主義」というものだ。それでも韓国の公党がお粗末な弁解を並べ沈黙の論理を語るのは、みずから北朝鮮の追従勢力であることを認めるものだ。


李代表は北朝鮮の権力世襲を非難すれば対立が高潮し、対話することができないと主張した。それならば民主労働党が韓国の政府・与党を非難するのはみずから対話を拒否するという意味なのか。北朝鮮を除いた米国と日本など友邦を折に触れ攻撃するのは韓国政府と友邦の関係を断絶しろという要求なのか。北朝鮮が韓国政府を露骨に非難しているのは内政干渉ではないのか答えなくてはならないだろう。

李代表は、「米国と韓国政府は小さな軍事的衝突でもすぐに平壌(ピョンヤン)に進撃して北の最高位層を拘束するシナリオを公然と発表する」と非難した。46人の将兵が犠牲となった天安艦沈没が“小さな”軍事的衝突なのかは別にしても、韓国の赤化統一を明文化した北朝鮮の労働党規約についてはなぜ一言も発しないのかわからない。さらに世襲王朝が継続すれば北朝鮮との平和的統一はより難しくなる。

最も重要なことは、民主労働党のアイデンティティだ。最小限民主労働党が志向する価値と理念を明確に示さなければ大韓民国の合法的な政党にはなれない。統一韓国の姿はどうすればいいのかについても明確に示していかねばならない。最も疑われている従北問題についてまであいまいな態度で一貫していては国民の支持を求めることはできない。対話路線と従北、3代世襲黙認はまったく異なる問題だ。この際、左派市民団体、運動家らも北朝鮮に対する立場を明確にすべきだ。




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