文鮮明（ムン・ソンミョン）総裁は約４０年間続けてきた「世界基督教統一神霊協会」の扉を閉め、１９９４年度に家庭連合を設立した。 ２０００年度からは天主平和連合（ＵＰＦ）を中心に世界的な平和運動を展開してきた。 しかし文顕進（ムン・ヒョンジン）会長を除いた仁進（インジン）・国進（ククジン）・享進（ヒュンジン）氏の３兄弟が主軸になり、再び統一教会に戻っている途中だ。

統一グループ側の８月１０日付の「統一教統合イメージ規定施行に関する件」という内部文書を見ると、「統一教の名称は今まで‘世界基督教統一神霊協会’から‘世界平和統一連合’に、そしてまた‘統一教’に変わった」と書かれている。 あいまいだった統一教会を一つに統合する作業をしているのだ。 文会長はこの部分について直接的な言及を避けたが、弟の立場とは違うという点が推測できた。 今は「統一教」という一つの枠に縛られる時ではなく、その枠を打ち破ってすべてを包容しなければならない時だ、という主張だ。

－－統一教という枠を出ようということか。


「父が創始した統一教は自分の人生を引っ張ってきた動機であり、父が私に植え付けた種だ。 現在４０代になった私に芽生えているビジョンは‘神のもとで人類は一つの家族’ということを建設することだ。 これは統一教人だけでなく、すべての人類のためのビジョンだ。 このため私たちはいま、統一教人でない人たちも抱き込めなければならないということだ」

－－超宗教運動をするということか。

「個別宗教の教派的で制度化された考えに拘束されないということだ。 キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、仏教、ヒンドゥー教など世界の主流信仰の普遍的価値は８０－９０％共通していると考えている。 差といえば、神学的な見解と制度化された教理上の伝統にすぎず、これは各信仰経験の１０－１５％にしかならない。 この僅かな差のために宗教をむしろ分裂の手段として使用しているのなら、それは納得できるだろうか。 米国はテロとの戦いに１兆ドル以上を使っている。 米国とイスラム世界だけでなく、インドでもヒンドゥー教とイスラム教が対立している。 宗教と宗教指導者を一つにする超宗教運動は歴史的な大課業だ」

－－人類が生まれて以来、宗教統合は誰も成し遂げていない。 その自信はどこから出てくるのか。「‘霊性’だ。 霊性は人間と切り離せない部分だ。 しかし現代になって私たちの霊性を理性と分離する傾向がある。 むしろ理性を重視する傾向が強まった。 私はこれを深刻な失敗だと考えている。 特に西洋で深刻だ。 アジア・南米・アフリカ・中東の開発途上国では霊的な世界と世俗的な世界の区分はない。 私たちの平和運動はその処理方式が教派や宗教的運動ではなく、これよりもっと幅広い次元で、霊性に基づいた超宗教運動という点をもう一度強調しておきたい。 ビクトル・ユーゴーは『侵略する軍隊よりも強いものが一つある。 それは時にかなって生まれた発想だ』と述べた。 私が今していることはまさにこうした時にかなった平和運動だと考えている。 人々の霊性を引き出せば不可能なことはない」

シアトルで３日間単独取材…「月刊中央」朴美淑（パク・ミスク）記者



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