1980年代初め、台湾の観光客に最も人気があった商品は革のジャンバーだった。 私が案内をすることになった台湾の大学生Aさんはお勧めの場所ではなく、真っ先に南大門(ナムデムン)市場へ行った。 ジャンバーを一つ選ぶと、すぐに5000ウォンを値切ろう言った(Aさんは「南大門では無条件に10%以上値切り、相手がそれでも引き止めればもっとたくさん値切り、そうでなければ少しだけ値切るのが韓国観光の指針」と後ほど教えてくれた)。 商人は「ノー(No)」。 Aは「再見」と言って店を出た。 別の店に行くのかと思ったが、 しばらくしてまた同じ店に戻った。 また値段交渉。 これを7-8回ほど繰り返した。 疲れた表情の商人は結局5000ウォン割引した。 「私の負けだ」と言いながら。
Aさんは「10回でも行くつもりだった。 思ったより早く、安く買えてよかった」と語った。 そう言いながら聞かせてくれたユーモア一つ。 愛し合っている美女がいるとしよう。 ところが他の男性と結婚した。 男性の選択は? 韓国人、酒を飲んで結婚式場に行って暴れる。 日本人、涙で歓送する。 中国人は? 彼女が娘を産むまで待つ。 その娘がまた別の男性と結婚すれば? またその娘が娘を産むまで待つ。
忍耐力で待ち続け、目標を必ず成し遂げる。 これが中国人のDNAという話だが、その執拗さにはまいってしまうほどだ。 このように忍耐という表面の姿の裏には、目標に対する驚くべき執着がある。 30年前のトウ小平もそうだった。 トウ小平は「刀を隠して力を育てる」という「韜光養晦」を強調した。 しかしトウ小平が残した24字箴言の最後は「やるべきことはやる」という「有所作為」だった。 トウ小平の内心がどちらかは推測がつきそうだ。 30年の歳月が流れた今、中国は左手に「韜光養晦」、右手には「有所作為」を握った。 相手と状況によって自由自在、交互に手を差し出す。
最近の中国の2つの戦争が良い例だ。 日本との領土戦争、米国との通貨戦争のことだ。 尖閣諸島紛争で中国は右手を使った。 日本を休む間もなく攻めて降伏を引き出した。 それでも足りず、謝罪・賠償を要求中だ。 がけっぷちまで追い詰めながら、さらにもう一歩追い詰めた。 日本を抑えてアジアの盟主になるという‘目標’を成し遂げる時期になったという判断があるようだ。 典型的な「有所作為」だ。
【時視各角】30年後の韓国ウォン(2)
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