中国がいま注目すべきものは尖閣諸島ではなく米国だ。 アジアに戻ってきている米国に注視する必要がある。 昨年11月の韓日中歴訪中にオバマ米大統領が東京サントリーホールでした演説は、米国のアジア復帰を知らせる信号弾だった。 演説でオバマ大統領は「米国はアジア・太平洋国家だ」と宣言した。 アジアに向かう米国の足取りが速まっている。 ASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国と「10+1首脳会議」を定例化し、東アジア首脳会議(EAS)への参加も公式化した。 来月末にベトナムで開催されるEASに米国はオブザーバーとして参加するが、正会員になるのは時間の問題だ。 原子力協定の締結を契機にインドとの協力を加速化する一方、中国と隣接するベトナムとの軍事・経済協力にも拍車を加えている。 南シナ海の南沙群島と西沙群島の領有権紛争に沈黙してきた米国が、最近になって国益と直結するという理由で露骨に介入したのも目を引く変化だ。
米国の動向は基本的に21世紀の力の中心がアジアに移動しているという判断ためかもしれないが、中国に対する牽制意図を否定することはできない。 周辺国に対する中国の圧力が強まるほど、アジア周辺国はワシントンに寄りかかるしかない。 中国が周辺国に声を高めるほど、米国が介入できる余地を広め、自らを隔離させる副作用を生む。 天安(チョンアン)艦事態と今回の尖閣紛争で中国が見せた強圧的な態度は、安保的な側面で韓国と日本の対米依存を強める結果として表れる可能性が非常に大きい。 米国のアジア復帰の動きが速まる中、オーストラリア-インド-ベトナム-日本-韓国をつなぐ対中包囲網が徐々に表面化している。 中国が自ら招いた側面があることは看過できないだろう。
「中国脅威論」と「中国責任論」はともに中国にとっては負担だ。 米国は「G2」の帽子をかぶせて中国責任論を浮き彫りにする一方、アジア周辺国の中国脅威論に便乗して中国への牽制と圧力を強化している。 開発途上国にすぎない中国はまだ前途は長いという論理で責任論から免れようとする一方、「和平崛起論」で中国脅威論に対応している。 しかしいつまでこうした対応が通用するかは疑問だ。 米国が築いておいた国際秩序に乗って経済的な利益を極大化しながらも、それに見合う役割はしていないという不満の声が多い。 また経済力を基礎に力の外交を露骨化しているという批判の声もますます強まっている。
内部的に中国は数多くの問題を抱えている。 貧富の格差に地域格差、民族葛藤、不正腐敗、人権・環境・エネルギー問題などだ。 内部問題の解決法を自分なりに見つけるまではひとまず声を低め、自国の穴を冷静に見つめる必要がある。 力を信じて声を高め、自国の弱点につまずいて自滅するような不幸な事態が起きないよう注意しなければならない。 稲は実るほど垂れ下がるものだ。
裵明福(ペ・ミョンボック)論説委員・巡回特派員
【コラム】自滅を招く中国の高声外交(1)
米国の動向は基本的に21世紀の力の中心がアジアに移動しているという判断ためかもしれないが、中国に対する牽制意図を否定することはできない。 周辺国に対する中国の圧力が強まるほど、アジア周辺国はワシントンに寄りかかるしかない。 中国が周辺国に声を高めるほど、米国が介入できる余地を広め、自らを隔離させる副作用を生む。 天安(チョンアン)艦事態と今回の尖閣紛争で中国が見せた強圧的な態度は、安保的な側面で韓国と日本の対米依存を強める結果として表れる可能性が非常に大きい。 米国のアジア復帰の動きが速まる中、オーストラリア-インド-ベトナム-日本-韓国をつなぐ対中包囲網が徐々に表面化している。 中国が自ら招いた側面があることは看過できないだろう。
「中国脅威論」と「中国責任論」はともに中国にとっては負担だ。 米国は「G2」の帽子をかぶせて中国責任論を浮き彫りにする一方、アジア周辺国の中国脅威論に便乗して中国への牽制と圧力を強化している。 開発途上国にすぎない中国はまだ前途は長いという論理で責任論から免れようとする一方、「和平崛起論」で中国脅威論に対応している。 しかしいつまでこうした対応が通用するかは疑問だ。 米国が築いておいた国際秩序に乗って経済的な利益を極大化しながらも、それに見合う役割はしていないという不満の声が多い。 また経済力を基礎に力の外交を露骨化しているという批判の声もますます強まっている。
内部的に中国は数多くの問題を抱えている。 貧富の格差に地域格差、民族葛藤、不正腐敗、人権・環境・エネルギー問題などだ。 内部問題の解決法を自分なりに見つけるまではひとまず声を低め、自国の穴を冷静に見つめる必要がある。 力を信じて声を高め、自国の弱点につまずいて自滅するような不幸な事態が起きないよう注意しなければならない。 稲は実るほど垂れ下がるものだ。
裵明福(ペ・ミョンボック)論説委員・巡回特派員
【コラム】自滅を招く中国の高声外交(1)
この記事を読んで…