辞退した柳明桓（ユ・ミョンファン）外交通商部（外交部）長官の娘の特恵採用疑惑が行政安全部（行安部）監査で事実と確認された。 規定を破って面接委員に加わった外交部の幹部らが長官の娘にだけ満点に近い点数を与えて順位を入れ替え、これによって長官の娘が最終合格者に決まった。 応募資格要件からして「長官の娘向け公募」であるのが濃厚で、審査会議では「実際の勤務経歴が重要だ」とし、外交部に勤務したことがある長官の娘に有利に働く発言もあった。 通商専門外交官の夢を抱いて応募し、‘引立て役’身分に転落した他の志願者の心情を考えたことがあるのだろうか。 慨嘆を禁じ得ない。

行安部は外交部が特恵採用過程で関係法令を違反したと明らかにした。 それなら懲戒処分程度で終わることではない。 採用不正に外交部幹部のどのラインまで介入したのかを徹底的に糾明し、場合によって司法処理もためらってはならない。 ほかの外交官の子女特別採用についても調査を早期に終え、結果を明らかにすることを望む。

特恵採用波紋が社会に投じた衝撃波を放置すれば、今後さらに大きな津波として迫ってくるだろう。 政府は事態の収拾に覚悟して臨まなければならない。 まず、類似の便法・特恵採用が外交部以外の部処にはなかったかどうか確認する必要がある。 ちょうど金滉植（キム・ファンシク）監査院長も昨日、「公務員人事全般に対する監査に着手する」と述べた。 主務部処の行安部も人事不正糾明に取り組まなければならない。


最も重要なのは事態再発防止策だ。 孟亨奎（メン・ヒョンギュ）行安部長官は昨日、国会で民間人専門家特別採用規模を拡大する内容の行政考試改編案の骨格を維持すると明らかにした。 私たちは、行政考試合格という看板一つで生涯が保障される高級公務員採用方式は今後、変化が避けられないと考える。 試験合格者の間で助け合う純血主義では公職社会の活気と競争風土、専門性を向上させるのは難しい。

問題は改編案の基本趣旨をどう生かすかにある。 柳明桓長官の娘の採用のように、書類選考・面接で行われる民間人専門家選抜の客観性・透明性・公正性・信頼性をどう確保するかが核心だ。 採用方式が特定階層に有利だという是非に巻き込まれず、国民の大多数が結果に納得できなければならない。 「小川から竜が生まれる」通路を保障し、採用制度が長期的に社会統合と躍動性向上に寄与しなければならないが、かといって政治的な考慮を前面に出してポピュリズムの道に陥れば逆に副作用が膨らむ。

長官娘特恵波紋は公務員採用制度の変化、過去最悪の青年失業と重なり、国民の非常な関心が集まっている。 行安部は１６日に国民公開討論会を開き、世論を聞く計画だ。 できる限り多くの国民と利害当事者の意見を改編案に反映することを望む。

公正性と透明性が確立された採用制度が今回の機会に作られれば、特恵波紋もそれなりに反面教師の役割を果たすということだ。



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